初めての外国人採用で「これって大丈夫?」という疑問が次々わいてきて、不安になっていませんか?
外国人採用の手続きは、つまずく場所がほぼ決まっています。だから一度全体像をつかめば、不安の大半は消えます。実際、ご相談で一番多いのは「何が分からないかが分からない」という状態です。
「うちの仕事で本当に雇えるの?」「在留カードのどこを見ればいいの?」「入社後にも届出がいるって本当?」。検索窓の前で手が止まる方の心の声は、だいたいこの3つに集約されます。正直なところ、専門用語と制度の多さに圧倒されているだけで、ひとつずつ分ければ難しくありません。この記事では、最初に抱きやすい疑問を順番にほどいていきます。
この記事のポイント
- つまずく場所は共通しているので、よくある質問を先に知れば不安の8割は予防できます。
- 手続きは「採用前の確認」と「入社後の届出」の二段構えだと理解すると、抜け漏れが激減します。
- 全部を自社で抱える必要はなく、難所だけ専門家に任せる判断軸を持つことが失敗を防ぐ近道です。
この記事の結論
- 一言で言うと、外国人採用は「在留資格で何ができるか」を起点に考えれば道筋が見えます。
- 最も重要なのは、採用前の在留資格確認と、入社後14日以内の各種届出を切らさないことです。
- 失敗しないためには、自社でやる範囲と専門家に頼む範囲を最初に線引きしておくことです。
🌏 外国人採用の手続き、全体の流れをまずつかむ
手続きは「採用前」と「入社後」の二つに分かれる
外国人採用の手続きは、大きく二段階です。採用前と入社後。ここを混ぜて考えるから複雑に見えます。
採用前にやるのは、候補者の在留資格の確認、自社の仕事と資格の業務範囲が一致するかの確認、そして雇用契約です。海外から呼ぶ場合は在留資格認定証明書(COE)の申請が加わり、ここだけで数か月かかることもあります。一方、すでに日本に住んでいる在留者を採用する場合は、この期間を大幅に短縮できます。弊社が国内在留者に絞っているのも、まさにこの「待たせない」を実現するためです。
入社後にやるのは、ハローワークへの外国人雇用状況の届出や、在留資格によっては入管への所属機関の届出です。採用して終わり、ではありません。ここを知らずに後回しにする企業が、本当に多いです。
在留資格で「できる仕事」が決まるのが大原則
外国人採用でいちばん大事な考え方は、これに尽きます。在留資格ごとに、できる仕事が決まっている。
たとえば「技術・人文知識・国際業務」は専門知識を使うオフィス系の仕事が中心で、単純作業の現場には原則使えません。現場の即戦力がほしいなら「特定技能」、身分系の「永住者」「定住者」「日本人の配偶者等」なら職種の制限がなく、どんな仕事も任せられます。
よくあるのが、「日本語が上手だから大丈夫」と在留資格を確認せずに進めてしまうケース。日本語力と就労可否は別物です。出入国在留管理庁の運用要領でも、活動の範囲は資格ごとに細かく定められています。まずは在留カードの「在留資格」欄を見る。ここが出発点です。
在留カードのどこを見れば安全に雇えるか
在留カードで最低限チェックする箇所は3つあります。
ひとつ目は在留資格の種類。ふたつ目は在留期限。期限切れの人を働かせると、企業側も不法就労助長罪に問われます。これは「知らなかった」では済みません。みっつ目は、カード裏面の「就労制限の有無」と、留学生などの場合は「資格外活動許可」の有無です。
表面だけでなく裏面まで。コピーを取って保管する。この一手間が会社を守ります。
⚠️ 初めての企業がつまずきやすいポイント
「雇ってからの手続き」を忘れて後悔する
入社後の届出忘れ。
外国人を雇った企業は、雇用保険に入る人ならハローワークへの届出と同時に、入らない人でも「外国人雇用状況の届出」を翌月末日までに提出する義務があります。厚生労働省の制度で、すべての事業主が対象です。届出を怠ると指導や、場合によっては30万円以下の罰金の対象になります。
さらに「技術・人文知識・国際業務」など一部の在留資格では、本人が入管へ「所属機関に関する届出」を14日以内に出す必要があります。実は、こうした細かな届出のフォローこそ、定着率を左右します。
言葉の壁を「契約」で軽く見てトラブルになる
外国人雇用で最も多い相談のひとつです。
労働条件の説明を口頭だけで済ませると、入社後に「給料が違う」「こんな仕事は聞いていない」という食い違いが必ず起きます。労働条件通知書は、本人が理解できる言語で示すことが望ましいとされています。母国語やわかりやすい日本語での書面、これがトラブルの予防接種になります。
正直なところ、ここを面倒がる企業ほど、あとで何倍もの時間を「言った・言わない」に費やしています。ケースによりますが、最初に丁寧に説明した会社ほど、長く働いてもらえる傾向があります。
全部を自社で抱え込んで本業が止まる
「手続きくらい自分たちでできる」。その気持ちはよく分かります。でも、これが一番危ない思い込みかもしれません。いや、危ういです。
ビザ申請の書類は数十種類におよぶこともあり、不備があれば不許可。やり直しで採用が数か月遅れます。本来の仕事を止めてまで制度の勉強をするより、難所だけ専門家に任せたほうが、結果的に安く早く済むことが多いです。
ここで判断軸を3つ挙げます。①社内に在留資格を読める人がいるか②申請の不許可リスクを自社で負えるか③入社後の継続フォローまで手が回るか。ひとつでも不安なら、外部の活用を検討する価値があります。依頼先は行政書士、人材会社、登録支援機関と複数あるので、自社に合う相手を比較して選ぶのがおすすめです。1社で即決せず、対応の速さや費用の内訳を見比べてください。
よくある質問
Q1. 外国人を雇うのに、特別な許可は会社側に必要ですか?
A. 1. 基本的に、会社が事前許可を取る必要はありません。2. ただし特定技能で雇うなら、受入れ機関としての基準を満たす必要があります。3. まずは候補者の在留資格を確認するところから始めてください。
Q2. 日本語があまり話せない人でも採用できますか?
A. 1. 採用は可能です。在留資格に日本語要件がなければ法的な問題はありません。2. ただし現場の安全や指示伝達のため、業種に応じた最低限の日本語力は確認しましょう。3. 通訳アプリや母国語マニュアルで補う企業が増えています。
Q3. 入社後に会社がやる手続きは何がありますか?
A. 1. ハローワークへの「外国人雇用状況の届出」が必須で、翌月末日が期限です。2. 社会保険・税の手続きは基本的に日本人と同じです。3. 在留資格によっては本人の入管届出のフォローも必要です。
Q4. 在留期限が切れそうな人は、どう対応すればいいですか?
A. 1. 更新は本人が期限のおおむね3か月前から申請できます。2. 会社は期限を一覧で管理し、更新を促す仕組みを持つと安全です。3. 期限切れのまま働かせると、会社も罰則の対象になります。
Q5. 採用した外国人の家族を日本に呼ぶことはできますか?
A. 1. 在留資格によります。技人国や永住者などは家族帯同が認められます。2. 特定技能1号は原則認められず、2号で可能になります。3. 採用前に本人へ正確に説明し、期待のズレを防ぐことが大切です。
Q6. 他社で働いていた外国人を採用する場合、手続きは変わりますか?
A. 1. 在留資格の業務範囲と自社の仕事が合致すれば、転職自体は可能です。2. 職種が大きく変わる場合は「就労資格証明書」で確認すると安心です。3. 前職の退職と新たな所属機関の届出が必要になります。
Q7. 手続きを全部自社でやるのと、外部に頼むのではどちらが得ですか?
A. 1. 受け入れ件数が少なく社内に詳しい人がいなければ、外部委託が無難です。2. 不許可ややり直しのリスクを金額換算すると、委託費は割高ではありません。3. 行政書士・人材会社・登録支援機関を比較し、自社に合う相手を選びましょう。
質問を窓口へ伝える前の整理方法
手続きについて問い合わせる場合は、現在の在留資格、予定する業務、必要な時期、どこまで準備したかを整理します。個人情報を送る前に必要な範囲を確認し、一般論の回答を本人の状況に当てはめてよいか確かめてください。回答日と担当窓口を記録しておくと再確認しやすくなります。
書類の一覧を、実際に使える進行表にする
必要書類の名前だけを並べても、誰が用意するのか決まっていなければ手続きは進みません。進行表には、書類名、作成する人、確認する人、取り寄せ先、取得予定日、提出先を分けて記入します。本人が準備する資料と会社が作成する資料を区別し、翻訳が必要か、原本を提示するのか、写しを提出するのかも確認しておきましょう。提出先によって条件が異なるため、以前の案件で使えた資料をそのまま流用せず、今回の案内と照合することが大切です。
書類を受け取ったら、氏名の表記、生年月日、住所、会社名、契約期間など、ほかの資料と共通する項目を横に並べて確認します。旧住所のままの資料や、採用予定の職務と説明が一致しない資料があれば、自己判断で書き換えず、作成者に確認します。修正前と修正後が混在しないよう、最新版の保管場所と版番号を決めてください。メールへの添付が何度も繰り返される場合も、どれが提出用なのかを一つに絞っておくと確認しやすくなります。
提出した後も、受付が確認できる資料、照会が来た日、追加資料の依頼内容、返答期限を残します。「送った」という社内の記録と「受け付けられた」という提出先の確認は分けて扱います。担当者が不在でも次の対応が分かるよう、未完了の項目と連絡先を引き継げる形にしてください。個人情報は関係者全員に広く配布せず、業務上必要な人が必要な範囲だけ確認する運用にします。相談時には、この進行表を使って未確認の点を具体的に伝えられます。
まとめ
この記事のまとめ:要点3つ
- 手続きは「採用前の確認」と「入社後の届出」の二段構え。この分け方を持つだけで、抜け漏れの不安はぐっと小さくなります。
- すべての判断は在留資格が起点。在留カードの表裏を確認し、できる仕事の範囲を押さえることが安全の土台です。
- 自社でやる範囲と任せる範囲を最初に線引きする。難所だけ専門家に頼れば、本業を止めずに採用を前へ進められます。
最初の一歩は、完璧に理解することではありません。「これって大丈夫?」をひとつ口に出してみることです。弊社は派遣・職業紹介・登録支援の3つの機能を1社で持ち、国内在住の外国人材に特化しています。まずは話だけでも、気になる疑問を投げかけてみてください。一緒に整理するところから、始めましょう。
外国人採用・人材活用のご相談
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派遣・人材紹介・特定技能の支援について、必要な人材と受け入れ体制を整理しましょう。採用方法が決まっていない段階でも、現在のお困りごとをお知らせください。
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