外国人採用を外部に任せたいけれど、行政書士・登録支援機関・人材会社のどこに頼めばいいのか迷っていませんか?
依頼先は、目的で決まります。「書類で困っている」なら行政書士。「特定技能で受け入れる」なら登録支援機関。「そもそも人がいない」なら人材会社です。役割がはっきり違う。だから優劣ではなく、自社が今どこでつまずいているかが選び方の軸になります。
「ビザの申請、誰に頼めばいいんだろう」「登録支援機関って行政書士と何が違うの?」「人材紹介と一緒に手続きもやってくれないの?」——検索窓にこんな言葉を打ち込む前に、頭の中でぐるぐる迷っている方が本当に多いです。正直なところ、この3つは名前が似ているうえ業務が一部重なるので、混乱して当然。この記事では、それぞれの守備範囲をはっきり線引きし、自社の状況に合わせてどう組み合わせれば無駄が出ないかまで、順を追って整理します。
この記事のポイント
- 行政書士は「申請取次」のプロ。ビザ申請や入管対応の書類作成・代理提出を担い、登録支援機関や人材会社にはこの代理権がないケースが多い
- 登録支援機関は「特定技能の支援」専門。受け入れ後の生活オリエンテーションや定期面談など、特定技能で義務づけられた支援を企業に代わって実施する
- 人材会社は「人を集める」役割。派遣や職業紹介で母集団そのものを用意する。書類や支援だけ頼んでも、肝心の応募者がいなければ採用は始まらない
この記事の結論
- 一言で言うと、行政書士=書類、登録支援機関=特定技能の支援、人材会社=人集め、と覚えるのが近道
- 最も重要なのは「自社が何で困っているか」を先に決めること。困りごとが先、依頼先は後
- 失敗しないためには、複数の機能を1社で完結できる事業者か、必要な機能だけ別々に頼むかを比較すること
🔑 行政書士・登録支援機関・人材会社の役割を公平に比較する
3者はライバルではありません。担当する工程が違うだけ。野球で言えば投手と捕手と外野手のような関係です。まずは守備範囲をはっきりさせます。
行政書士が担うのは「申請取次」と書類の番人
行政書士の本業は、官公庁に出す書類の作成と提出代理です。外国人採用の文脈では、在留資格認定証明書(COE)や在留資格変更、更新の申請書類をつくり、入管へ代理提出します。この「申請取次」は、届出をした行政書士だけに認められた業務です。つまり、本人や会社が入管の窓口に何度も足を運ばなくて済む。ここが大きい。
実は、ビザ申請は書類1枚の不備で数か月の遅れにつながることがあります。不許可になれば、内定者の入社時期は丸ごとずれ込む。だからこそ、入管の審査基準を読み込んでいる専門家の存在が効いてきます。
ただし、行政書士は書類のプロであって、人を集める役割ではない点に注意してください。
登録支援機関が担うのは「特定技能の義務的支援」
特定技能で外国人を受け入れる企業には、生活オリエンテーション、日本語学習の機会提供、定期面談、相談・苦情対応など、法律で決められた支援義務があります。出入国在留管理庁が公開する特定技能の運用要領でも、これらの支援は受け入れの前提とされています。この義務的支援を企業に代わって担えるのが、登録支援機関です。
支援を怠ると、最悪の場合は受け入れ自体ができなくなる。だから多くの企業が登録支援機関に委託します。委託費の相場は月額2〜3万円前後/1人が一つの目安ですが、支援内容で幅が出ます。
ケースによりますが、登録支援機関は申請取次の行政書士を内部に抱えていることもあり、書類とセットで頼める場合があります。
人材会社が担うのは「母集団の確保」
求人広告を出しても応募が来ない。これが多くの企業の出発点です。人材会社は、労働者派遣や有料職業紹介を通じて、そもそもの「人」を用意する役割を担います。書類も支援も大事ですが、応募者がゼロでは何も始まりません。
マージン率は、対象事業所・対象期間を明示した最新の情報公開資料で確認してください。料金や支援内容は見積書と契約条件を併せて比較しましょう。
🤝 自社に合う委託先の選び方と判断基準
役割が分かったら、次は「自社はどれを、どう組み合わせるか」です。ここを目的次第で考えるのがコツ。優劣で選ぶと迷子になります。
判断基準は「困りごと」と「在留資格」の2軸で考える
選び方に迷ったら、次の基準で切り分けてください。判断材料は多すぎても動けません。3つに絞ります。
- 困りごとはどこか:人がいない→人材会社/書類が不安→行政書士/特定技能の支援が回らない→登録支援機関
- どの在留資格で雇うか:特定技能なら登録支援機関が必須級。技人国や身分系なら、まず人材会社と行政書士の組み合わせで足りることが多い
- 社内にどこまで余力があるか:書類も支援も内製できるなら委託は最小限で済む。本業が圧迫されるなら外注の価値が上がる
最初に2軸を整理しておけば、この二度手間は防げます。
ワンストップか、機能ごとの分業か
外国人採用の工程は、①人を集める→②採用・契約→③ビザ申請→④受け入れ後の支援、と続きます。この4工程を1社でまとめて頼めるのが「ワンストップ型」、工程ごとに別々の専門家に頼むのが「分業型」です。
分業型は、各分野で実績の濃い事業者を選べる強みがあります。一方で、窓口が複数になり、連絡や情報共有の手間が増える。ワンストップ型は窓口が一つで進行が速い反面、特定の工程の質を自分で見極めにくいことがあります。正直なところ、どちらが正解とは言い切れません。自社の体制と採用人数しだいです。
たとえば弊社エムティックは、労働者派遣・有料職業紹介・登録支援機関の3つの許認可を1社で保有しています。人集めから特定技能の支援まで採用方法を状況で使い分けられるのが、ワンストップ型の一つの形です。
委託先を見極めるときに確認したい3点
ここは率直にお伝えします。
1. 許認可・登録番号が明示されているか:派遣許可、職業紹介許可、登録支援機関の登録番号。番号が出ているかは最低限の確認ポイント
就業開始までの期間は、候補者の確保状況、在留資格、必要な手続き、本人と受け入れ先の準備状況によって異なります。開始可能日は個別に確認してください。
3. 費用の内訳が透明か:手数料、委託費、追加費用。
1社で即決せず、2〜3社の見積もりと守備範囲を並べて比べる。これが遠回りに見えて、いちばん確実な進め方です。
よくある質問
Q1. 行政書士と登録支援機関、まず頼むべきはどちらですか?
A.1. どの在留資格で雇うかで変わります。特定技能なら登録支援機関、それ以外でビザ書類が不安なら行政書士が出発点です。両方必要なケースも多いです。
Q2. 人材会社に頼めばビザ手続きもやってくれますか?
A.2. 会社によります。申請取次の行政書士や登録支援機関を併せ持つ人材会社なら一括対応が可能です。人集めだけの会社では別途手配が必要になります。
Q3. 登録支援機関への委託費の相場はいくらですか?
A.3. 月額2〜3万円前後/1人が一つの目安です。支援内容や面談頻度で幅が出るため、内訳の確認をおすすめします。安すぎる場合は対応範囲を必ず確認してください。
Q4. 行政書士の費用はどのくらいかかりますか?
A.4. ビザ申請1件あたり10万〜15万円前後が目安です。申請の種類や難易度で変わります。複数名まとめて依頼すると単価が下がることもあります。
Q5. 3つを別々に頼むと割高になりませんか?
A.5. 窓口が増える分、管理コストは上がりがちです。1社で複数機能を持つ事業者なら、連携の手間と費用を抑えられる場合があります。比較して判断するのが安全です。
Q6. 登録支援機関に頼めば自社は何もしなくていいですか?
A.6. いいえ。雇用契約や労働条件の明示など、企業本体の義務は残ります。義務的支援の実施部分を代行できるだけで、丸投げにはなりません。
Q7. 怪しい業者を避けるにはどこを見ればいいですか?
A.7. 許可番号・登録番号の明示、費用内訳の透明性、国内在留者の比率の3点です。「断定的に安全」と言い切る業者ほど、内訳をぼかしていないか確認してください。
相談相手ごとの担当範囲を明確にする
行政書士、登録支援機関、人材サービス会社などへ相談する場合は、名称だけから全て任せられると考えないようにします。申請、生活支援、採用、労務のどこまで対応するかを確認してください。複数の相手に依頼する場合は、情報を取りまとめる担当者も決めます。
比較表の条件をそろえて候補を絞る
比較するときは、候補ごとに違う条件で説明を受けないことが重要です。勤務地、担当業務、勤務時間、人数、希望する開始時期を同じ書式にまとめ、各候補へ提示します。そのうえで、対応できること、対応できないこと、追加確認が必要なことを分けて回答してもらいます。「幅広く対応」「手厚い支援」といった表現だけでは比較できないため、誰が、どの方法で、どの範囲まで担当するのかを確認してください。
比較表では、料金だけでなく、現場側に残る作業も一緒に整理します。候補者との連絡、書類の回収、業務教育、勤怠の確認、困りごとの相談など、委託後も社内で担う項目があるはずです。その担当者と所要時間を見積もると、表面上の金額だけでは見えない違いを検討できます。価格が低い提案でも、必要な対応が別料金なら同じ条件ではありません。契約前には見積書、説明資料、契約書の範囲が一致しているかを照合します。
最終判断の前に、未確認の項目と判断を保留する条件を残しておきましょう。希望日程に合わない場合の対応、担当者の不在時の連絡先、契約終了時の引き継ぎなどは、開始前に確認したい点です。口頭での説明をそのまま社内の確定事項にせず、重要な条件は書面で確認します。選定理由を記録しておけば、開始後に期待との違いが出たときも、どの条件を再確認すべきか整理できます。比較表は順位を付けるためだけでなく、契約後の確認にも使う資料です。
まとめ
この記事のまとめ:要点3つ
- 行政書士=書類、登録支援機関=特定技能の支援、人材会社=人集め。3者は役割が違うだけで、優劣ではない
- 選び方は「困りごと」と「在留資格」の2軸で。人がいないのか、書類が不安なのか、支援が回らないのかを先に決める
- 見極めは許認可・対応スピード・費用の透明性の3点で。1社即決せず、守備範囲を並べて比較するのが失敗しないコツ
外国人採用は、誰に頼むかを決める前に「自社が何で困っているか」を言葉にするところから始まります。一つに絞れなくても大丈夫。まずは話だけでも、現状を整理する相談から始めてみてください。
外国人採用・人材活用のご相談
自社に合う採用方法を、
条件の整理から相談しませんか。
派遣・人材紹介・特定技能の支援について、必要な人材と受け入れ体制を整理しましょう。採用方法が決まっていない段階でも、現在のお困りごとをお知らせください。
- 必要な人数・開始時期を相談したい
- 費用や対応範囲を確認したい
- 受け入れ準備を整理したい
お問い合わせの際は「業務内容・勤務地・人数・希望時期」をお知らせいただくと、確認がスムーズです。

