「外国人派遣の時給やマージン率の相場っていくら?」とコストメリットが気になる経理へ。外国人派遣の価格の仕組みを透明化
外国人材派遣のマージン率は「全国平均でおよそ3割強」、派遣料金の内訳としては「社会保険料などの法定費用+教育・運営コスト+ごくわずかな利益」で構成されます。
一言で言うと、「時給×人数×時間」の“表の数字”だけで高い・安いを判断せず、「そのうち何%がスタッフの手取りで、何%がどんなコストに消えるのか」を分解して見るのが、経理としての正しい向き合い方です。
この記事の結論
- 一言で言うと「派遣マージン率の全国平均は30〜36%前後で、その中には社会保険料事業主負担・有給費用・教育費・営業経費・数%の利益が全部入っているため、“高い=ボッタクリ”とは限らない」です。
- 最も重要なのは、①マージン率の定義(派遣料金と賃金の差)、②厚労省が情報公開を義務付けていること、③自社の支払う派遣料金が「時給相場+平均マージン」の範囲に収まっているかを確認することです。
- 失敗しないためには、「マージン率だけ」で判断せず、同じ時給・同じマージンでも“教育・通訳・トラブル対応”まで含む会社と、何もしてくれない会社があることを理解し、「いくら取って何をしてくれるのか」をセットで比べる必要があります。
まず“モヤモヤ”を言葉に——マージンが気になる夜
見積書の「時給2,000円」を見て固まる経理
月末の夜、机の上には派遣会社から届いた見積書が並んでいる。
「外国人派遣スタッフ 時給:2,000円」と書かれた行を見て、「うちの日本人パートは1,200円なのに…」と、電卓を叩く指が一瞬止まる。
思わずブラウザを開き、「派遣 マージン率 平均」「外国人派遣 時給 相場」と検索しては、「30%」「36%」といった数字を見つけては、「正直、この3割って何に消えてるんだろう」と小さくため息が漏れる——そんな状態で、このテーマを調べている方が多いのではないでしょうか。
マージン率は「派遣料金と賃金の差の割合」
厚生労働省は、派遣会社のマージン率を「派遣料金から派遣労働者の賃金を引いた差額を、派遣料金で割ったもの」と定義しています。
マージン率=(派遣料金の平均額 − 派遣労働者の平均賃金)÷ 派遣料金の平均額 × 100
例えば、
- 派遣料金:1時間あたり2,000円
- スタッフ賃金:1,300円
なら、
マージン率=(2,000 − 1,300)÷ 2,000 × 100 = 35%
この35%の中に、「社会保険料の事業主負担」「有給休暇費用」「会社の家賃や営業の人件費」「教育・通訳などのサービス」「わずかな利益」が全て含まれています。
検討時に確認したいポイント
費用を比較するときは、対象期間・人数・業務範囲をそろえ、初期費用と継続費用を分けて確認してください。追加費用、解約条件、教育や生活支援の範囲も見積書で確認し、自社の条件で総額を試算しましょう。
外国人材派遣のマージン率・時給相場の「現実値」
マージン率の全国平均と内訳
派遣マージンについての各種データをまとめると、次のような傾向があります。
- 厚労省の集計や業界団体のデータでは、派遣マージン率の全国平均はおおよそ30〜36%前後。
- 具体例として、ある派遣会社の情報公開では、
- 派遣料金平均:2,058円/時間
- 賃金平均:1,312円/時間
- マージン率:36.24% と公表されています。
- 別会社では、
- 1日8時間当たり派遣料金:24,604円
- 賃金:15,824円
- マージン率:35.7% というデータもあります。
また、マージン内訳の目安として、あるコンサル記事では次のように示されています。
- 社会保険料事業主負担:約10.9%
- 有給休暇費用:約4.2%
- 諸経費(募集・営業・管理など):約13.7%
- 営業利益:約1〜2%
正直なところ、「マージン率20%台で、教育も通訳も全部付きます」は現実的にほぼあり得ず、「平均よりかなり低い数字」をうたう会社は、どこかのコストを現場やスタッフに押し付けている可能性があります。
外国人材の時給相場(業種別イメージ)
外国人材の時給相場は、日本人と大きく変わらず、「業種・エリア・職種」で決まります。
- 介護:1,100〜1,400円前後
- 宿泊・外食:1,200〜1,500円前後
- 飲食料品製造・工場ライン:1,200〜1,500円前後
- 運送・物流ドライバーなど:1,300〜1,600円前後
これに、先ほどの「マージン30〜35%」を乗せたものが、派遣料金のおおよその目安になります。
例:介護で時給1,300円のスタッフ、マージン率35%とすると
- 派遣料金:1,300円 ÷(1 − 0.35)≒ 2,000円
というイメージです。
全国平均の派遣時給と、近年の上昇傾向
一般派遣全体で見ると、ディップ社のレポートによれば、2023年8月の派遣社員の平均時給は全国で1,518円(前年度比37円増)で、ここ数年は緩やかな上昇が続いています。
厚労省の調査でも、派遣労働者の平均賃金(8時間換算)は、2020年度15,234円→2021年度15,590円→2022年度以降も増加傾向とされており、マージン率は大きく変わらなくても、ベースの時給がじわじわ上がっているのが実態です。
よくある誤解と、マージン率を“味方”にする見方
誤解1:「マージン率は低いほど良い」
厚労省は公式ページで、「マージンには社会保険料や教育訓練費なども含まれるため、マージン率は低ければ低いほど良いとは限らない」と明記しています。
マージン率が低すぎる会社では、
- 教育・研修がほとんどない
- トラブル対応や通訳が別料金
- スタッフへの還元が薄く、離職率が高い
というリスクもあり、「率」単体ではなく「内訳とサービス内容」で見ないと、本当のコストは分かりません。
誤解2:「外国人だからマージンが割高」
外国人派遣だからといって、マージン率が日本人派遣より極端に高いというデータはなく、むしろ「教育・通訳・在留管理」といった追加コストが乗っている分、内容を見れば“割高ではない”ケースも多いです。
正直なところ、「外国人だから高い」のではなく、「不足業種で人材が取り合いになっているから、時給そのものが高くなっている」という構図が主因です。
誤解3:「マージン率を非公開にしている会社もある」
現在は、労働者派遣法の改正により、派遣会社はマージン率等の情報公開が義務付けられており、自社サイトなどで公開する必要があります。
情報公開が見つからない会社は、法令遵守の観点からも要注意です。
「マージン率 公表」「会社名+マージン率」で検索して、公開ページがあるか必ず確認しましょう。
よくある質問(7問)
Q1:派遣マージン率の全国平均はどれくらいですか?
A:厚労省や業界データによると、一般に30〜36%前後が平均とされ、目安として「約3割強」と考えるのが妥当です。
Q2:マージン率が20%台なら優良、40%台なら悪質と考えてよいですか?
A:一概には言えません。教育・通訳・在留管理などが充実していれば率は上がりますし、数字だけで優劣は判断できないと厚労省も注意喚起しています。
Q3:マージン率の内訳はどこまで分かりますか?
A:社会保険料事業主負担や有給費用、諸経費、利益などの一般的な割合目安は公開されていますが、各社の詳細は直接ヒアリングする必要があります。
Q4:自社が払う派遣料金が適正かどうか、どう判断すればよいですか?
A:同業他社の時給相場と、マージン30〜35%を掛け合わせた金額と比べ、大きく乖離していないかを確認するのが一つの目安になります。
Q5:外国人派遣だけマージン率が高いことはありますか?
A:教育・通訳・在留管理などの追加コストにより、若干高めになることはありますが、極端に高い場合は内容の説明を求めるべきです。
Q6:派遣会社はマージン率を公開しないといけないのですか?
A:はい。労働者派遣法により、マージン率等の情報公開が義務付けられており、企業や労働者が確認できるようにする必要があります。
Q7:経理として、見積もり段階で必ず確認すべき数字は?
A:1時間あたりの派遣料金、スタッフの賃金想定、マージン率、マージンに含まれるサービス(教育・通訳・管理)内容の4点は最低限押さえるべきです。
マージン率とサービス内容を分けて読む
マージン率を確認する際は、対象事業所と対象期間、情報公開資料の更新日を見ます。率の高低だけで手数料の妥当性や支援品質を判断せず、料金に含まれる費用と担当範囲を確認してください。個別の見積単価を比較する場合も、勤務時間や追加費用の条件をそろえる必要があります。
見積額と社内負担を分けて試算する
費用を比べるときは、最初に比較する期間と人数をそろえます。初月だけの費用と継続費用を混ぜず、一度だけ発生する費用、月ごとの費用、人数や時間で変わる費用に分けてください。見積書に含まれていない項目は、無料とみなさず未確認として残します。交通費、翻訳、住居関連費用、追加の面談などについても、必要なものだけを個別に確認します。金額の前提が違えば合計額も変わるため、単価だけの比較で結論を出さないことが大切です。
社内の負担を確認するには、採用担当者と現場担当者が行う作業を別々に書き出します。応募への返信、面接、資料の確認、初日の案内、業務教育、相談対応などに使う時間を自社の記録から見積もります。根拠となる記録がない段階では、実績として数値を示さず試算であると明記し、前提条件を添えましょう。人件費への換算が難しい場合も、必要な担当人数と作業時間を整理しておくと、運用可能な計画かを考えやすくなります。
まとめ
- 外国人材派遣のマージン率は、全国平均で30〜36%前後。その中には、社会保険料・有給費用・募集や営業・教育・通訳・在留管理・ごくわずかな利益まで、派遣会社側のあらゆるコストが含まれています。
- 経理が見るべきなのは、「率そのもの」ではなく、「その率でどこまでやってくれるのか」。同じ35%でも、“在留管理と教育まで含む35%”と、“何も含まない35%”では、実質的なコストパフォーマンスがまったく違います。
今お手元にある見積書は、派遣料金とマージン率まで出ていますか、それとも「時給合計」だけが書かれている状態に近いでしょうか。
弊社・株式会社エムティックでは、外国人材派遣のマージン内訳やサービス内容について、透明性のあるご説明をいたします。
お見積もりの内容にご不安がある経理担当者様は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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