外国人材派遣で使えるビザの種類とは?派遣可能な在留資格を一覧で総まとめ

派遣という雇用形態で受け入れられる外国人材は、在留資格によって範囲が決まります。

外国人材は、在留資格によって派遣で受け入れられるかどうかが決まります。すべての外国人が派遣で働けるわけではありません。ここを誤ると、不法就労や契約のやり直しにつながります。だから最初に「どのビザなら派遣OKか」を押さえる。これが出発点です。

「うちの現場に派遣で外国人を入れたいけど、ビザ的に大丈夫なの?」「特定技能って派遣できるんだっけ?」「技能実習の子を派遣で回すのはアリ?」——こうした疑問、採用の入り口でよく止まりますよね。正直、制度が細かくて分かりにくい。でも判断の軸は意外とシンプルです。このページでは、派遣可能な在留資格を一覧で整理し、業務範囲の制限まで含めて「受け入れていいかどうか」を自分で判断できるように解説します。

この記事のポイント

  • 身分系の在留資格(永住者・定住者・日本人の配偶者等)は、就労内容も雇用形態も制限がなく、派遣で最も使いやすい人材です。業種を選ばず受け入れられます。
  • 技術・人文知識・国際業務(技人国)は派遣自体は可能ですが、派遣先での仕事が資格で認められた専門業務に合っているかが審査の肝になります。単純作業に就かせると違反です。
  • 特定技能は分野が限られ、技能実習は派遣そのものが不可。ここを混同すると採用が止まります。原則として身分系・技人国を軸に考えるのが安全です。

この記事の結論

  • 一言で言うと、派遣で確実に使えるのは「身分系」と、業務が合致する「技人国」です。
  • 最も重要なのは、「在留資格で認められた活動」と「派遣先での実際の仕事」が一致しているかという一点です。
  • 失敗しないためには、在留カードと指定書を必ず確認し、技能実習は派遣不可と覚えておくこと。迷ったら専門家に在留資格を確認してもらうのが近道です。
目次

🌏 派遣で受け入れられる在留資格の一覧と判断基準

外国人材の派遣で最初につまずくのが、「この人、派遣で雇っていいの?」という確認です。在留資格ごとに、就労できる範囲も派遣の可否も違います。まずは全体像を表で押さえましょう。

在留資格ごとの派遣可否を一覧で整理

下の表は、受け入れの現場でよく出てくる在留資格を、派遣の可否と業務範囲の観点で並べたものです。表が崩れて読めない場合に備えて、直後に箇条書きでも要約します。

在留資格の区分 主な資格 派遣の可否 業務範囲の制限
身分系 永住者・定住者・日本人の配偶者等・永住者の配偶者等 ○ 可能 なし(単純作業も可)
就労系(専門職) 技術・人文知識・国際業務(技人国) ○ 可能 あり(専門業務に限定)
特定技能 特定技能1号・2号 △ 条件付き可 あり(対象分野・受入れ要件)
技能実習 技能実習1号〜3号 ✕ 不可 派遣形態そのものが認められない
資格外活動 留学・家族滞在(許可あり) △ 直接雇用が基本 週28時間以内・派遣は実務上ハードル高

要点を箇条書きでまとめます。

  • 身分系(永住者・定住者・日本人の配偶者等):就労制限なし。派遣で最も使いやすく、業種も問いません。
  • 技人国:派遣は可能。ただし派遣先での仕事が専門業務であることが条件。
  • 特定技能:分野によって派遣可否が分かれる。農業・漁業は派遣が認められますが、製造・外食・介護など多くの分野は派遣が原則認められません。
  • 技能実習:派遣は不可。実習計画に基づく受け入れ先が固定されるためです。
  • 留学・家族滞在:資格外活動許可があればアルバイトは可能ですが、派遣での運用は実務上ハードルが高め。

「身分系」が派遣で最も使いやすい理由

実は、派遣で一番扱いやすいのは身分系の在留資格を持つ人材です。永住者・定住者・日本人の配偶者等。これらは「身分・地位に基づく在留資格」と呼ばれ、就労内容に制限がありません。つまり日本人とほぼ同じように、どんな仕事にも、どんな雇用形態でも就けます。

弊社の経験上、食品工場やホテル、清掃の現場で「すぐ人が欲しい」というご相談には、まず身分系の人材をご提案することが多いです。理由はシンプルで、業務範囲を気にせず配置でき、在留期限の管理も比較的安定しているから。

ある食品工場の人事担当の方から、こんな声をいただいたことがあります。「特定技能ばかり調べていて手続きで止まっていたんですが、定住者の方を派遣で入れたら、その週のうちに現場が回り始めました」。採用方法を一つに絞り込まず、まず在留資格から逆算する。これが現場をいちばん早く立て直すコツです。

技人国を派遣で使うときに必ず確認すること

技術・人文知識・国際業務、いわゆる技人国も派遣は可能です。ただし、ここには大きな落とし穴があります。派遣先での仕事が、資格で認められた専門業務でなければなりません。

たとえば通訳・翻訳、海外取引の営業事務、ITエンジニアといった業務はOK。でも、同じ人を「人手が足りないから」と工場のライン作業や皿洗いに回すと、これは在留資格の範囲外で違反になります。よくあるのが、繁忙期にうっかり別の仕事を頼んでしまうケース。悪気はなくても不法就労助長に問われかねません。

正直なところ、ここは派遣元と派遣先の認識ズレが起きやすいポイントです。契約時に「この人にどんな仕事をさせるか」を業務内容ベースで擦り合わせておく。これだけでトラブルの大半は防げます。

🔑 特定技能・技能実習の派遣可否と業務範囲の注意点

身分系と技人国を押さえたら、次は混同されやすい特定技能と技能実習です。ここは「派遣できる」「できない」が分野や制度でくっきり分かれるので、特に注意が必要です。

特定技能は「分野によって派遣可否が変わる」

特定技能は、すべての分野で派遣ができるわけではありません。ここが最大のつまずきポイントです。出入国在留管理庁が定める運用では、特定技能の受け入れは原則として直接雇用が基本とされています。

ただし例外があります。季節による業務量の変動が大きい農業・漁業の分野では、派遣形態での受け入れが認められています。一方で、製造業・外食・宿泊・介護といった多くの分野では、特定技能を派遣で受け入れることは原則できません。

「特定技能なら派遣で何でもいける」と思い込んでいると、契約直前で止まります。ケースによりますが、製造や外食で即戦力が欲しい場合は、特定技能の直接雇用と、身分系の派遣を組み合わせて考えるのが現実的です。自社の分野が派遣可能分野に入るかどうか、ここは必ず最初に確認してください。

技能実習は派遣できない——理由と代替策

結論から言うと、技能実習生は派遣で受け入れることはできません。これは明確です。技能実習は「技能の移転による国際貢献」という制度趣旨に基づき、実習計画に沿って特定の受け入れ先で実習を行う仕組みだからです。受け入れ先が転々とする派遣とは、制度の根っこが合いません。

「育てた実習生を、別の現場にも派遣で回せないか」というご相談を受けることがあります。お気持ちは分かります。でも、これはできません。代わりの道としては、技能実習修了後に特定技能へ移行してもらい、その上で受け入れ形態を考える、というルートが現実的です。

なお、2027年頃の施行が予定されている育成就労制度では、技能実習に代わる新しい枠組みが議論されています。制度は動いている最中なので、最新の運用は出入国在留管理庁の情報で確認するのが安全です。

受け入れ前に確認すべき3つのチェックポイント

最後に、派遣で外国人材を受け入れる前に必ず見るべき点を3つに絞ります。

ひとつ目は在留カードの確認。在留資格の種類、在留期限、就労制限の有無を実物で見る。コピーだけでなく原本確認が基本です。ふたつ目は指定書のチェック。技人国や特定技能では、活動内容を指定する書類があるので、派遣先の仕事と合っているかを照合します。

みっつ目は、派遣元の許可状況です。労働者派遣事業の許可を持つ会社か、外国人の在留資格に詳しいか。ここが弱いと、せっかく良い人材でも法令面でリスクが残ります。弊社は派遣・職業紹介・登録支援機関の3つの許認可を持ち、マージン率も23.8%として公開していますが、こうした基本情報を開示しているかも、依頼先を見極める一つの判断材料になります。

❓ よくある質問

Q1. 永住者や定住者は、どんな仕事でも派遣で受け入れられますか?

A. 基本的に可能です。身分系の在留資格は就労内容に制限がなく、単純作業を含め業種を問いません。日本人と同様に配置できます。

Q2. 特定技能の人材は派遣で受け入れられますか?

A. 分野によります。農業・漁業は派遣が認められますが、製造・外食・介護など多くの分野は原則直接雇用です。自社分野の確認が必須です。

Q3. 技能実習生を派遣で使うことはできますか?

A. できません。技能実習は実習計画に基づく固定の受け入れ先で行う制度のため、派遣形態は認められていません。これは明確なルールです。

Q4. 技人国の人材を、人手が足りない現場作業に回してもいいですか?

A. いけません。技人国は専門業務に限定されており、ライン作業などに就かせると在留資格の範囲外で不法就労になります。業務内容の事前確認が重要です。

Q5. 留学生を派遣で雇うことはできますか?

A. 実務上ハードルが高いです。資格外活動許可があれば週28時間以内のアルバイトは可能ですが、派遣での運用は管理が複雑になりがちで、直接雇用が基本です。

Q6. 在留カードのどこを見れば派遣可否が分かりますか?

A. 在留資格の種類、在留期限、就労制限の有無の3点を確認します。技人国や特定技能では、活動を指定する指定書も併せて照合してください。

Q7. 自社の現場でどのビザが使えるか、分からないときは?

A. まず身分系の人材から検討するのが安全です。判断に迷う場合は、派遣・紹介・登録支援を扱う会社に在留資格を確認してもらうのが確実で、二度手間も防げます。

まとめ

この記事のまとめ:要点3つ

  • 派遣で確実に使えるのは「身分系(永住者・定住者・日本人の配偶者等)」と、業務が合致する「技人国」。身分系は就労制限がなく最も使いやすい人材です。
  • 特定技能は分野によって派遣可否が変わり、技能実習は派遣そのものが不可。製造や外食で派遣を考えるなら、身分系を軸にするのが現実的です。
  • 最重要は「在留資格で認められた活動」と「派遣先の実際の仕事」の一致。在留カードと指定書を必ず確認し、迷ったら専門家に在留資格をチェックしてもらいましょう。

在留資格の判断は、慣れないと一本一本が重く感じられます。でも軸さえ分かれば、自社に合う受け入れ方は見えてきます。「うちの現場ならどのビザが使えるか」だけでも、まずは話を聞いてみてください。最短3日で動けるケースもあります。気軽にご相談いただければ、状況に合わせて派遣・紹介・支援の使い分けを一緒に整理します。

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