在留期間の更新と在留資格の変更、雇っている外国人にはどちらが必要なのか迷っていませんか?
転職時の手続きは、在留資格と指定内容で異なります。「技術・人文知識・国際業務」では新業務が資格の範囲内なら転職だけを理由とした変更許可は通常不要ですが、所属機関等の届出は必要です。「特定技能」や「高度専門職1号」は、所属機関が変わる場合、同じ職種でも在留資格変更許可が必要です。新しい勤務先で働き始める前に必要な許可を確認してください。在留期間の更新は、転職そのものではなく期限満了後も在留するための手続きです。
この記事のポイント
- 「更新」は同じ在留資格の期限を延ばす手続きです。仕事が変わらなければこちらで足ります。
- 「変更」は在留資格そのものを別の種類に切り替える手続きです。職種や活動内容が変わると必要になります。
- 転職では、同一資格なら更新+就労資格証明書、業務が変わるなら変更、という分け方が実務の基本です。
この記事の結論
- 一言で言うと、判断基準は「在留資格が変わるかどうか」の一点です。
- 最も重要なのは、転職後の業務がいまの在留資格の範囲に収まるかを先に確認すること。
- 失敗しないためには、迷ったら就労資格証明書で適法性を書面で担保しておくことです。
🔍 更新と変更、まず違いを比較で押さえる
名前が似ている2つの申請ですが、目的がまったく違います。ここを整理すれば、あとの判断はぐっと楽になります。
在留期間更新許可申請とは
在留期間更新許可申請は、いまの在留資格を保ったまま、在留できる期間を延ばす手続きです。たとえば「技術・人文知識・国際業務」を1年で持っている方が、同じ資格のまま次の期間へ更新する。活動内容は変えず、滞在の期限だけを延長するイメージですね。申請は在留期限の3か月前から可能で、原則として期限まで。うっかり過ぎると在留資格を失うリスクがあるため、期限管理は会社側でもカレンダーに入れておくと安心です。出入国在留管理庁の案内でも、更新は「同一の在留資格を継続して行う場合の手続き」と位置づけられています。つまり、いまの活動をそのまま続ける前提の申請だと理解しておけば大きく外しません。会社が発行する在職証明書や、本人の課税・納税証明書がそろっていれば、審査は比較的スムーズに進むことが多いですね。
在留資格変更許可申請とは
在留資格変更許可申請は、在留資格の種類そのものを別のものへ切り替える手続きです。留学生が卒業して「留学」から「技術・人文知識・国際業務」へ、あるいは技能実習を終えて「特定技能1号」へ移る場面が代表例。活動の目的が変わるからこそ、資格を作り直すわけです。審査では、変更後の仕事の内容・本人の学歴や職歴・会社の受け入れ体制まで見られます。出入国在留管理庁は、在留目的を変更して別の在留資格に該当する活動を行おうとする場合にこの申請が必要だと説明しています。言い換えれば「これから何をするのか」を新しく審査してもらう手続きです。だからこそ更新より提出書類も多く、審査期間も2週間から1か月半ほどかかることが一般的。変更が認められて初めて新しい仕事に就けるので、内定から就労開始までの日程には余裕を持たせておきたいところです。正直なところ、ここを詰めずに入社日を決めてしまい、慌てる企業は少なくありません。
目的・タイミング・書類の違い早見表
正直なところ、言葉だけでは頭に入りにくいので、表で並べます。
| 比較項目 | 在留期間更新許可申請 | 在留資格変更許可申請 |
|---|---|---|
| 目的 | 同じ資格で期間を延ばす | 資格の種類を切り替える |
| こんなとき | 仕事が変わらない | 職種・活動内容が変わる |
| タイミング | 期限の3か月前〜期限まで | 変更事由が生じたら早めに |
| 主な書類 | 申請書・在職証明・課税/納税証明など | 更新書類+新たな雇用契約書・会社資料・学歴/職歴の疎明 |
| 審査の重さ | 比較的軽い | 重い(活動内容を再審査) |
要点を箇条書きにすると、次のとおりです。
- 期間だけ延ばすなら更新、資格が変わるなら変更。
- 更新は期限管理、変更は事由が生じたら早めの着手がカギ。
- 変更は「新規に近い審査」と考え、書類を厚めに準備する。
🤝 転職した外国人はどちらの手続き?判断の実務
ここが多くの企業でつまずくポイントです。転職=変更、と思い込んでいる方が意外と多いのですが、実際はケースによります。
同じ在留資格の範囲内なら「更新」+就労資格証明書
前職と同じ「技術・人文知識・国際業務」で、転職後も似た事務・技術の仕事に就くなら、在留資格の変更は不要です。期限が来れば更新すればよい。ただし、転職先の業務がその資格の範囲に本当に収まるかは、入管が自動で確認してくれるわけではありません。そこで役立つのが就労資格証明書です。「この会社のこの仕事は在留資格の範囲内ですよ」と入管が書面で認めてくれるもの。取得は任意ですが、次の更新審査をスムーズにする保険になります。ケースによりますが、業務の一部が微妙にグレーな職種ほど、この一手間が効いてきますね。
業務内容が変わるなら「変更」が必要
たとえば通訳として働いていた方が、転職先で工場のライン作業に就くとします。この場合は「技術・人文知識・国際業務」の範囲を外れるため、在留資格の変更が必要です。単純作業は原則としてこの資格では認められないからですね。業務が変わるなら、まず資格の適合性から確認するのが鉄則です。
転職後にやる「契約機関に関する届出」も忘れずに
更新でも変更でも、就労系の在留資格を持つ方が転職したら、本人が14日以内に「契約機関に関する届出」を入管へ出す義務があります。これは在留資格の手続きとは別物。届出を怠ると本人の次回審査で不利になることもあり、正当な理由なく届け出ないと罰金の対象になる場合もあるとされています。会社としては「届出、出した?」の一声をかけるだけでトラブルを防げます。小さな運用の工夫が効くところですね。届出はオンラインでも紙でも可能なので、本人が迷っていたら手続き方法を一緒に確認してあげると親切です。
よくある質問
Q1. 転職したら必ず在留資格の変更が要りますか?
A. いいえ。同じ在留資格の範囲内の仕事なら更新で足ります。業務内容が資格の範囲を超えるときだけ変更が必要です。
Q2. 就労資格証明書は取らないといけませんか?
A. 取得は任意です。ただし転職後の適法性を書面で担保でき、次回更新の審査もスムーズになるため、実務では取得をおすすめします。
Q3. 更新と変更で審査期間はどれくらい違いますか?
A. 更新は比較的短く、変更は活動内容を再審査するため2週間〜1か月半ほどかかるのが一般的です。余裕を持って申請してください。
Q4. 在留期限が近いのに転職しました。更新と変更、どちらを先に?
A. 業務が変わるなら変更を優先します。変更が認められれば新たな在留期間も付与されるためです。期限が迫るなら早急に着手してください。
Q5. 変更申請が不許可になったら働けませんか?
A. 変更が不許可なら、その職種では就労できません。ただし元の資格の期限内なら従前の活動は続けられます。再申請や別資格の検討が必要です。
Q6. 手続きは会社が代わりに出せますか?
A. 申請は本人か、取次資格を持つ行政書士・登録支援機関などが行えます。会社は書類準備や日程調整で支えるのが現実的です。
Q7. どちらの手続きか自社で判断できません。
A. 転職後の業務内容を整理すれば大半は判断できます。難しい場合は、登録支援機関や専門家に業務内容を伝えて確認するのが確実です。
転職による変更点を具体化して相談する
更新か変更かを判断する前に、現在の在留資格、前職と新職の業務、契約内容を整理します。同じ職種名という理由だけで手続きを決めないようにしてください。必要な届出も含め、本人の状況に沿って窓口へ確認し、回答を記録して進めます。
在留資格名と実際の担当業務を照合する
就労可否を確認する際は、在留資格の名称を一覧表に当てはめるだけで終わらせず、実際に任せる業務を具体化します。部署名や職種名が同じでも、日常の作業内容は会社によって異なります。主な仕事、付随する仕事、勤務場所、業務の割合などを整理し、本人の在留状況と照合できるようにしてください。資格名だけで判断がつかない場合は、どの作業が問題となるのかを明確にして、出入国在留管理庁などへ確認します。
本人から説明を受ける際は、在留カードの記載だけでなく、必要に応じて指定書や資格外活動許可など、判断に関わる資料を確認します。確認が必要な資料は在留状況によって異なります。日本に住んでいることや、前の会社で働いていたことを、そのまま自社でも同じ条件で働ける根拠にしないでください。採用担当者が確認した内容を現場にも必要な範囲で伝え、担当可能な業務と確認中の業務を区別します。
採用時の確認結果は、業務や在留状況が変われば見直しが必要です。配置転換、勤務先の変更、副業の申出などを、在留資格の確認担当者へつなぐ運用を決めます。申請をしたことと許可されたことは区別し、許可を見込んで未確認の業務を始める計画は避けましょう。確認した日、参照した資料、問い合わせ先、回答内容を記録しておくと、担当者が変わっても判断の経緯をたどれます。個別事情を省いて、過去の回答を別の人へそのまま当てはめないことも大切です。
まとめ
この記事のまとめ:要点3つ
- 判断の軸は「在留資格が変わるかどうか」の一点です。仕事が同じなら更新、変われば変更と覚えてください。
- 同一資格の転職は更新+就労資格証明書、業務が変わる転職は変更が実務の基本形です。
- 転職者本人の「契約機関に関する届出」も14日以内に必要。手続きの取り違えと届出漏れの両方に注意しましょう。
更新か変更かの見極めは、採用のスピードにも直結します。手続きを一つ取り違えるだけで、入社日がずれ込んだり、思わぬ不法就労のリスクを抱えたりしかねません。判断に迷ったら、抱え込まずにまず話だけでも聞かせてください。株式会社エムティックは派遣・紹介・登録支援の3つを1社で扱い、在留資格の手続き判断から受け入れ後のフォローまで伴走します。国内に生活基盤を持つ在留外国人に特化しているので、すでに資格を持つ方の転職相談とも相性がいいんです。転職者の資格が範囲内か、変更が要るか、就労資格証明書を取るべきか。まずは頭の中を整理するだけでも、次の一手がすっと見えてきますよ。
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