採用したい外国人が家族滞在ビザだと働けるのか、扶養家族の在留はどう扱えばいいのか迷っていませんか?
家族滞在ビザは、原則として働けません。ここが出発点です。ただし「資格外活動許可」を取れば、週28時間まで働けます。フルタイムで戦力にしたいなら、就労系の在留資格への変更が必要です。まずこの三段構えを押さえてください。
ここで手が止まる採用担当は本当に多いんです。この記事では、家族滞在で働ける範囲と、社員の家族を扶養・呼び寄せる際に必要な書類を、現場の実務に沿って整理します。読み終えるころには、目の前の一人を「どう雇えば適法か」を自分で判断できるはずです。
この記事のポイント
- 家族滞在は原則就労不可、例外は資格外活動許可の週28時間まで。この一点を外すと不法就労助長罪のリスクが出ます。
- フルタイム採用なら「技術・人文知識・国際業務」など就労系への在留資格変更が前提。今の家族滞在のままでは正社員にできません。
- 扶養・呼び寄せの書類は「扶養する側の経済力」と「家族関係の証明」の二本柱。ここを丁寧に集めれば審査は通りやすくなります。
この記事の結論
- 一言で言うと、家族滞在ビザの人はそのままではパート程度しか働けません。
- 最も重要なのは、雇う前に在留カード裏面の「資格外活動許可」欄と週28時間の上限を確認することです。
- 失敗しないためには、戦力として長く働いてほしい人は早めに就労ビザへの変更を検討することです。
家族滞在ビザで「働けるのか」を正しく理解する 🔍
家族滞在は、就労系の在留資格を持つ外国人が配偶者や子を日本に呼び寄せるための資格です。あくまで「扶養を受ける家族」という立場。だから就労には制限がかかります。ここを誤解したまま雇うと、会社側が罰せられます。まず全体像を掴みましょう。
家族滞在は原則就労不可という大前提
出入国在留管理庁の運用上、家族滞在は収入を伴う活動を予定していない在留資格です。つまり、そのままでは一切働けません。「配偶者ビザなら働けるでしょ?」とよく混同されますが、日本人の配偶者等とは別物です。家族滞在は、扶養者に養われている前提の資格なんです。
無許可のまま働かせていれば、会社が不法就労助長罪に問われかねません。知らなかったでは済まないのが、この分野の怖いところです。
なぜこんな取り違えが起きるのか。原因はシンプルで、在留カードの表面だけを見て「在留資格あり=働ける」と早合点してしまうからです。家族滞在は表面に堂々と在留資格として書かれています。だからこそ、就労可否は裏面と資格外活動許可で判断する、という基本を全員で共有しておく必要があります。ここを人事だけでなく現場責任者まで徹底できているかが、実は事故の分かれ目になります。
資格外活動許可があれば週28時間まで働ける
例外があります。「資格外活動許可」です。これを本人が地方出入国在留管理局で取得すれば、原則として週28時間以内でアルバイト的に働けます。留学生の週28時間ルールと同じ考え方ですね。在留カードの裏面に許可の記載があるか、必ず確認してください。
確認のポイントは三つです。①在留カード裏面に資格外活動許可のスタンプや記載があるか。②パスポートの許可シールの内容。③許可の範囲(風俗営業等は不可)。この28時間はどこか一社での話ではなく、複数のバイトを合算した総枠です。たとえば別のコンビニで週18時間働いている人なら、自社で任せられるのは残り10時間まで。ケースによりますが、掛け持ちしている人は超過に要注意です。
フルタイムで雇うなら就労系ビザへの変更が必要
週28時間では、正社員やフルタイムの戦力にはなりません。「もっと働いてほしい」なら、本人が「技術・人文知識・国際業務」や「特定技能」など、仕事内容に合った就労系の在留資格へ変更するのが筋です。学歴や職務内容が要件を満たすかが分かれ目になります。
逆に、単純作業しか用意できないと厳しい。実は「変更してから採る」のか「採ってから変更する」のかで段取りも変わります。迷ったら、雇う前の段階で専門家に相談したほうが安全です。
もう一つ現実的な選択肢があります。人手不足の現場作業が中心なら、「特定技能」への切り替えです。介護・外食・宿泊・食品製造など対象分野が広く、家族滞在で日本に暮らし日本語も一定できる人なら、試験や要件を満たせば移行できるケースがあります。よくあるのが「学歴要件で技人国は無理だが特定技能なら道がある」というパターン。どのビザを目指すかは、任せたい仕事から逆算して決めるのが近道です。
外国人社員の家族を扶養する際の必要書類 📌
視点を変えます。今度は、自社で働く外国人社員が「母国の家族を呼びたい」というケースです。就労ビザで働く社員が、配偶者や子を家族滞在で招く。このとき会社は在職証明などで協力を求められます。何が必要か整理しておきましょう。
家族を呼び寄せる「在留資格認定証明書」の流れ
海外にいる家族を新たに呼ぶ場合、まず日本側で「在留資格認定証明書(COE)」の交付申請を行います。申請人は日本にいる扶養者(社員本人)、または代理人。交付までの標準処理期間はおおむね1〜3か月が目安です。繁忙期はさらに延びることもあります。
交付されたCOEを海外の家族へ郵送し、現地の日本大使館・領事館でビザ申請、そして来日という流れです。「思ったより時間がかかる」とよく言われます。呼び寄せを予定している社員がいるなら、逆算して早めに動くよう促してあげてください。たとえば4月に家族を呼びたいなら、遅くとも前年12月には認定証明書の申請を始めておくと安心です。入社直後で在職期間が短いと経済力の疎明が弱く見られやすい点も、頭の片隅に置いておくと安心です。
扶養する側(社員)が用意する書類
審査の核心は「扶養できるだけの経済力があるか」です。だから扶養者である社員側の書類が重要になります。よくあるのが、この経済力の疎明が弱くて追加資料を求められるパターンです。主に次のものを揃えます。
・住民税の課税(または非課税)証明書と納税証明書(1年分)
・在職証明書(勤務先である御社が発行)
・直近の給与明細や預貯金残高証明
・扶養者の在留カードとパスポートの写し
会社としては、在職証明の発行依頼にスムーズに応じるだけで、社員の手続きはぐっと楽になります。
家族関係を証明する書類と翻訳
もう一本の柱が「本当に家族なのか」の証明です。配偶者なら結婚証明書、子どもなら出生証明書。国によって様式が違うため、母国政府が発行した公的書類を用意します。ここが不備だと差し戻しになりがちです。
外国語の書類には日本語訳を添付します。訳者の氏名を記した翻訳文を付ければ足りるのが一般的です。細部ほど早めに、が鉄則です。
よくある質問 💡
Q1. 家族滞在ビザの人をアルバイトで雇っても違法になりませんか?
A. 資格外活動許可があり週28時間以内なら適法です。許可がなければ違法就労となり、会社も罰則対象になります。
Q2. 週28時間は当社での勤務時間だけを見ればよいですか?
A. いいえ。複数勤務先の合算で28時間以内です。掛け持ちがあると超過しやすいので、本人に他の就労状況を必ず確認してください。
Q3. 家族滞在のままフルタイムの正社員にできますか?
A. できません。技術・人文知識・国際業務や特定技能など、業務に合う就労系の在留資格へ変更する必要があります。
Q4. 在職証明書は会社が出さないといけませんか?
A. 法的義務ではありませんが、扶養家族の呼び寄せには実質的に必要です。発行に協力すると社員の手続きが円滑になります。
Q5. 家族を呼ぶのにどれくらい時間がかかりますか?
A. 在留資格認定証明書の交付でおおむね1〜3か月、その後の現地ビザ申請と来日を含めると、余裕をみて数か月と考えてください。
Q6. 扶養に必要な年収の目安はありますか?
A. 一律の基準額は公表されていません。ケースによりますが、家族を安定して養えるかを課税証明や残高で総合的に判断されます。
Q7. 家族滞在から就労ビザへの変更は誰が申請しますか?
A. 本人が地方出入国在留管理局へ申請します。会社は雇用契約書や事業内容の資料を用意して協力する立場です。
家族の就労可否は本人の在留状況で確認する
社員本人が就労できることと、その家族が働けることは別です。家族の在留資格、許可の有無、予定する仕事や時間を確認します。扶養の取扱いも制度ごとに条件が異なるため、給与や税、社会保険の担当窓口へそれぞれ確認してください。
在留資格名と実際の担当業務を照合する
就労可否を確認する際は、在留資格の名称を一覧表に当てはめるだけで終わらせず、実際に任せる業務を具体化します。部署名や職種名が同じでも、日常の作業内容は会社によって異なります。主な仕事、付随する仕事、勤務場所、業務の割合などを整理し、本人の在留状況と照合できるようにしてください。資格名だけで判断がつかない場合は、どの作業が問題となるのかを明確にして、出入国在留管理庁などへ確認します。
本人から説明を受ける際は、在留カードの記載だけでなく、必要に応じて指定書や資格外活動許可など、判断に関わる資料を確認します。確認が必要な資料は在留状況によって異なります。日本に住んでいることや、前の会社で働いていたことを、そのまま自社でも同じ条件で働ける根拠にしないでください。採用担当者が確認した内容を現場にも必要な範囲で伝え、担当可能な業務と確認中の業務を区別します。
まとめ 🤝
この記事のまとめ:要点3つ
- 家族滞在ビザは原則就労不可、資格外活動許可があっても週28時間まで。この上限を管理できて初めて適法な雇用です。
- 戦力として長く雇うなら、就労系の在留資格への変更が前提。学歴・職務内容が要件に合うかを早めに見極めましょう。
- 家族の扶養・呼び寄せは「社員の経済力の証明」と「家族関係の証明+翻訳」の二本柱。会社は在職証明の発行で支えられます。
在留資格は一人ひとり事情が違い、判断に迷う場面が必ず出てきます。まずは目の前の在留カードを一枚、一緒に確認するところから始めませんか。派遣・紹介・登録支援を1社で扱う私たちなら、「この人はどう雇うのが正解か」を最短で整理できます。抱え込まず、まずは話だけでも聞かせてください。
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