外国人派遣と直接雇用の違いを比較|コスト・管理の手間・リスクを分析

どっちが正解?外国人採用の形態別メリット・デメリット比較


外国人採用で「派遣」と「直接雇用」のどちらが正解かは、御社の採用期間とリスク許容度でほぼ決まります。

短期・試験導入なら派遣が有利です。

1年以上の長期戦略と育成を前提にするなら、直接雇用が合理的です。

さらに2026年はビザ制度が厳格化しており、社内で管理しきれない場合は派遣会社のサポートを活用した方が、トータルコストを抑えやすい環境になっています。


目次

この記事のポイント

「コスト」だけで選ぶと失敗します。

採用時のイニシャルコストと、運用・退職リスクを含めたトータルコストで比較する必要があります。

2026年は在留資格や特定技能の制度が変わりつつあり、外国人採用の管理難易度が確実に上がっています。

正直なところ、就労ビザや更新管理を自社だけで完結させるのは、従業員数50名未満の企業にはかなりの負担です。

実は「派遣か直接雇用か」だけでなく、「最初は派遣で見極めてから、定着の見込みがあれば直接雇用に切り替える」という二段階の設計が、現場ではもっとも現実的な落としどころになりつつあります。

この記事では、単なる制度説明ではなく、弊社が実際に関わってきた現場の事例をベースにお伝えします。

  • 外国人派遣からスタートした製造業A社のケース(派遣3名→直接雇用2名に切替、離職率15%→5%)
  • 最初から直接雇用に踏み切って苦労した飲食チェーンB社のケース(ビザ更新ミスで戦力が突然抜けた事例)

※ケースはいずれも弊社が関わった中小企業をベースにした匿名加工例です。


この記事の結論

一言で言うと「短期は派遣・長期は直接雇用」が基本軸です。

最も重要なのは「採用単価」ではなく「定着率×管理できる範囲」で判断することです。

失敗しないためには、次の3ステップで検討することをおすすめします。

  1. 「何年ぐらい戦力化していてほしいか」を年単位で言語化する
  2. ビザ・在留資格管理を自社でどこまで対応できるかを棚卸しする
  3. ミスマッチ時のリスク(解雇の難しさ・代替人材の確保)を数値でイメージする

コスト面では、1年未満なら派遣の方が総額を抑えやすく、3年以上の前提なら直接雇用の方が人件費単価を下げやすい構造です。

管理の手間は、募集・面接・在留資格・労務管理を誰が持つかで大きく変わります。

派遣は「月々の手数料と引き換えに管理を外部化するモデル」と捉えると、判断しやすくなります。

リスク面では、派遣は「契約期間終了」という形でダメージコントロールしやすい一方で、直接雇用は「自社の戦力になる代わりに、労務トラブルやビザ不備の責任もすべて自社で負う」選択になります。

ケースによりますが、「初めて外国人を採用する」「社内に英語や制度に詳しい人がいない」企業様は、まずは外国人派遣で始めて、1〜2名を直接雇用に切り替えていく階段設計をおすすめしています。


メインブロック① 潜在ニーズ深掘り:本当はどこにリスクを感じているか

「困っている」と口に出せない、採用担当の夜

人手不足の現場では、つい深夜に何度も「外国人 派遣 口コミ」「特定技能 失敗例」と検索履歴が並びます。

画面の明かりだけがついたオフィスで、求人サイトの管理画面とメールソフトを交互に開きながら、「このままだと現場にまた謝ることになるな」と小さくため息が漏れる。

そんな経験をされている採用担当者の方も、決して少なくないはずです。

正直なところ、「日本人が採れないから外国人も検討しよう」という出発点だと、どうしても「低コストですぐに来てくれる人材」を探してしまいがちです。

その結果、派遣会社の資料請求をしながら、別タブで「外国人 労務トラブル ニュース」の記事を開いてしまう。

そんな矛盾した行動を自覚している担当者も多いはずです。

実は、表向きの悩みは「コスト」と「日本語レベル」なのに、心の底にある不安はもう少し複雑です。

  • ビザ・在留資格を間違えたらどうしようという、法令違反への怖さ
  • 社内でハラスメントや差別が起こったら、自分が矢面に立つことになるというプレッシャー
  • そもそも、外国人採用に反対気味な上司やベテラン社員をどう説得するかという社内政治

この「言語化しづらい不安」が残っている限り、「派遣か直接雇用か」という選択も前に進みません。

よくあるのが、資料だけ取り寄せて3ヶ月放置されているケースです。

現場事例1:製造業A社(従業員80名)が外国人派遣から始めた話

地方の金属加工メーカーA社では、2024年時点で20〜30代の日本人応募が年間2〜3件まで落ち込み、残業時間が月40時間を超える部署も出始めていました。

社長は「外国人も視野に入れるか」と話し始めたものの、総務の責任者は入管法やビザのことが不安で、半年ほど議論だけが続いていたそうです。

転機になったのは、外国人派遣を専門にしている弊社の担当者が、工場見学に伺ったときの会話でした。

弊社担当「最初は1名からでも大丈夫ですが、定着率を考えると2〜3名のチーム体制をおすすめしています」

A社総務「正直、ビザとかトラブルが怖いんですよね」

弊社担当「ビザと労務管理はこちらで持ちます。御社は『日々の仕事の指示』と『評価』に集中していただくイメージです」

A社はまず、技能実習経験者を含む外国人派遣3名を、交代勤務の一つの班に固める形で受け入れました。

派遣単価は日本人パートより1.2〜1.3倍でしたが、求人広告費や採用担当の工数をかけなくて済んだため、「半年で様子を見る」という条件付きでスタート。

当初はベテラン社員の中に「日本語通じるのか?」という懐疑的な声もありました。

しかし3ヶ月後の生産性チェックでは、ライン停止回数が前年度同月比で18%減少。

残業時間も班内平均で月10時間ほど下がりました(A社社内データ)。

A社の総務担当者が印象的だったと振り返るのは、派遣スタッフの1人から聞いた言葉です。

「日本に来て5年ですが、はじめて『ここに長くいたい』と思える職場でした」

半年後、A社はそのうち2名を、紹介予定派遣を利用して直接雇用へ切り替えました。

紹介料は年収の25%(約90万円)でしたが、離職率が全社平均15%に対し、この2名は3年目も継続勤務。

結果的にA社は「最初は派遣でリスクを抑えつつ、相性の良い人だけ直接雇用に移す」という形を、自然に選択することになりました。

現場事例2:飲食チェーンB社がいきなり直接雇用でつまずいた話

一方で、首都圏で10店舗を展開する飲食チェーンB社は、人件費を抑えたい思いから、現地採用型の外国人正社員を積極的に増やしていました。

2023〜2024年の2年間で、海外拠点から紹介されたスタッフを計12名直接雇用。

採用単価は1人あたり平均40万円と、日本人新卒採用より3割ほど安く済んでいました。

ところが2025年、特定技能制度の運用が変わり始め、在留資格の更新や手数料の取り扱いが厳格化。

B社の人事担当は、複雑化するルールと店舗運営の忙しさの板挟みになりました。

ある時、1店舗を支える店長候補の外国人社員の在留資格更新で、書類不備に気づいたのは期限の1週間前。

慌てて行政書士に依頼したものの、

行政書士「このタイミングだと、最悪1〜2ヶ月は働けない期間が発生するかもしれません」

というコメントが返ってきました。

結局、その社員は一時的に勤務できない期間が生じ、店舗は急遽シフトを組み替え。

売上は前年同月比で12%ダウンし、残業代も例年比で約30万円増えました。

後日、B社の人事担当はこう漏らしています。

「正社員の方が安い、と数字だけ見て判断したのが甘かったです。ビザと生活サポートまで含めて考えると、うちの管理体制では限界がありました」

B社はその後、新規採用については外国人派遣も併用する方針に切り替えました。

「最初から直接雇用が悪かった」というより、社内に在留資格と外国人労務の担当者を置かず、他の業務と兼務させたことがボトルネックだったケースです。

よくあるのが、「人事1人がすべて抱えてしまい、更新期限の管理がエクセルの個人ファイルに埋もれてしまう」というパターン。

B社もまさにこの典型でした。


メインブロック② 比較と差別化:派遣と直接雇用をどう選ぶか

コスト構造の違い:初期費用 vs 月額単価

まずは「お金の流れ」を整理します。

項目外国人派遣直接雇用
採用時の費用求人広告費ほぼ不要、紹介・マージン込みの派遣料金に含まれる求人広告・エージェント費・採用担当の工数などイニシャルコストが発生
月額人件費時給・月給に加え、派遣会社の手数料が上乗せされるため高くなりがち社会保険料・残業代などを含めても、単価は派遣より抑えやすい
教育・研修費派遣会社が事前研修を行うケースもあり、現場教育の負担が軽いことが多い社内研修の設計・実施を自社で持つ必要があり、時間的コストが発生

数字感の一例として、ある求人サイト調査では、直接雇用で外国人正社員を採用する場合、1人あたりの採用コストは平均40〜80万円というデータもあります。

一方、派遣の場合は初期費用が抑えられる代わりに、月々の派遣料金が実質的な「採用・教育費」を含んだ形で乗ってくるイメージです。

ここでよくあるのが、「派遣料金が高く見えるから、やっぱり直接雇用にしよう」という短絡的な判断です。

しかし、採用後1年以内に退職されるリスクや、ミスマッチで配置転換がうまくいかず、結局は別の人材を採り直す場合のコストまで含めて考えると、「最初の1〜2年だけ見れば、派遣の方がトータルで安く済む」ケースも少なくありません。

ケースによりますが、「今の現場で何年ぐらい働いてほしいか」を数字で決めてから、コスト比較をする方が冷静に判断できます。

管理の手間とリスク:誰がどこまで責任を持つのか

次に、「誰がどこまで面倒を見るのか」という視点で比べます。

派遣の場合

  • 募集・書類選考・面接の一次対応は派遣会社が担当することが多い
  • 在留資格の確認・更新、社会保険の手続きなどの多くは派遣会社が管理
  • 労務トラブルが起きたときも、まずは派遣会社がクッションになるため、受け入れ企業は「現場での指導」と「契約更新の判断」に集中しやすい

直接雇用の場合

  • 募集〜採用〜雇用契約までのプロセスを、すべて自社が設計する必要がある
  • 在留資格の種類・就労制限・更新期限など、外国人特有のルールを理解した上で労務管理を行う必要がある
  • トラブル発生時の責任もすべて自社が負う形になり、解雇や配置転換にも慎重な対応が求められる

2026年時点では、特定技能や育成就労制度の改正が進んでおり、在留資格周りのルールは年々複雑になっています。

ここに日本語コミュニケーションや文化の違い、社内の受け入れ体制の課題が加わると、外国人の直接雇用は「採用したら終わり」ではなく、「採用してからが本番」の世界です。

ある人事担当者は、「日本人の正社員を1人採る感覚で、外国人正社員を3人採ると、体感の管理コストは2倍以上に感じる」と話していました。

これは感覚値ですが、日報の書き方や就業規則の説明、生活面での相談対応など、細かなコミュニケーションの積み重ねが必要になる現実をよく表しています。

よくあるのが、「日本人社員と同じフローで入社オリエンテーションを済ませてしまい、後から『そもそも労働条件の理解がずれていた』と判明する」パターンです。

この点、派遣であれば派遣会社が間に入り、母国語での説明や生活サポートまでカバーしてくれることも多く、管理の一部を外部化しやすいと言えます。

リスクとキャリアの視点:企業と本人の「その先」をどう描くか

最後に、あまり表には出てこない「キャリア」と「離職リスク」の話です。

日本で働く外国人労働者は2025年時点で約257万人と過去最多を更新しており、今後も増加が見込まれています。

つまり、彼らにとっても「選べる時代」になりつつあるということです。

派遣の場合

  • さまざまな企業・職場を経験しやすく、スキルや働き方の選択肢が広がる一方、長期的なキャリアパスが見えにくいこともある
  • 企業側から見ると、「まずはお互いを知る期間」として使えるが、優秀な人材ほど他社に引き抜かれるリスクもある

直接雇用の場合

  • 企業文化に馴染み、昇進や役職など中長期のキャリアパスを描きやすい
  • その代わり、ミスマッチが起きた場合のダメージは双方にとって大きく、「辞めるに辞められない」「続けるのも苦しい」という状態に陥る危険もある

実際、あるIT企業の外国人エンジニアはこう話していました。

「派遣のときは、嫌になったら契約満了で次を探せばいいという気楽さがありました。でも、直接雇用になってからは、昇給や評価が見える分、仕事の重さも倍になった感覚があります」

この声は、企業にとってもヒントになります。

正社員で長くいてほしいなら、「昇給・評価・役割のステップ」を数字や期間で具体的に提示することが、離職率を下げる鍵になります。

ケースによりますが、「1年後にリーダー、3年後にサブマネージャー候補」といった目安を伝えるだけでも、本人側の納得感は大きく変わります。

ここまで見てきたように、「派遣か直接雇用か」という二択ではなく、

  1. 最初は派遣でお互いの相性と業務適性を確認する
  2. 戦力として期待できる人材に対して、直接雇用への切り替えや、昇給・役職を含めたオファーを検討する
  3. 在留資格や生活サポートは、必要に応じて専門家や外部パートナーと組む

という三層構造で捉える方が、2026年以降の外国人採用にはフィットしていきます。


よくある質問(FAQ)

Q1. コストだけ見ると、派遣と直接雇用どちらが安いですか?

1年未満の短期なら派遣、3年以上の長期前提なら直接雇用の方が、総額は安くなるケースが多いです。

Q2. 在留資格の管理が不安ですが、自社で対応するべきでしょうか?

ビザや特定技能の運用は2026年も改正が続いているため、専門知識が社内にない場合は、派遣会社や行政書士と連携した方が安全です。

Q3. 初めて外国人を採用する会社は、派遣と直接雇用どちらから始めるのが無難ですか?

ケースによりますが、まずは外国人派遣で1〜3名を受け入れ、社内の受け入れ体制やコミュニケーションの課題を把握してから直接雇用に進む企業が増えています。

Q4. 特定技能や育成就労など制度の変化は、選び方に影響しますか?

はい、制度改正により手数料や就労条件が変わるため、最新情報を踏まえて「どの在留資格の人材を、どの形態で採用するか」を設計する必要があります。

Q5. ミスマッチだった場合、派遣と直接雇用でリスクはどう違いますか?

派遣は契約期間満了で見直しや交代がしやすい一方、直接雇用は解雇や配置転換に法律面の配慮が必要で、時間とコストがかかりやすいです。

Q6. 文化やコミュニケーションのギャップ対策は、どちらがしやすいですか?

派遣の場合、派遣会社が母国語でフォローしたり研修を行うケースがあり、企業側の負担は軽くなりがちです。

直接雇用では、社内で研修設計や相談窓口を整える必要があります。

Q7. 結局、どんな会社が今すぐ動くべきですか?

人手不足が慢性化している、在留資格の管理に不安がある、既存社員の残業が月30時間を超えている会社は、早めに外国人採用(特に派遣から)を検討した方が、リスクとコストの両面で有利になります。


まとめと背中押し

ここまで読んで、「結局うちは派遣と直接雇用どちらがいいのか」と、まだ頭の中がモヤモヤしているかもしれません。

迷いが残るのは当然です。

数字だけでは割り切れない、現場の感情や社内の空気があるからです。

要点を3つに絞ると、次のような流れになります。

  • 「何年いてほしいか」と「どこまで管理できるか」を、まず社内で率直に話し合う
  • 最初の一歩は、外国人派遣で小さく始めて、うまくいった形を直接雇用で強化していく
  • 制度やビザの部分は、無理に自社完結を目指さず、専門家や派遣会社の力を借りる

A社のように、最初は半信半疑だった企業様でも、半年後には「朝礼での挨拶が明るくなった」「職場で英語と日本語が自然に混ざるようになった」と、小さな変化を実感されています。

大げさな成功談ではなく、「毎朝の空気が少し軽くなる」程度の変化が、実は現場にとっては一番大きな意味を持ちます。

こういう企業様は、今すぐご相談ください。

  • すでに求人広告を半年以上出し続けているのに、応募がほとんど来ない
  • 現場から「人が足りない」という声が、週1回以上あがってきている
  • 外国人採用を社内で検討しているが、ビザや制度の話になると会議が止まってしまう

この状態ならまだ間に合います。

制度がさらに複雑になる前に、「自社に合う採用ルート」と「派遣と直接雇用の使い分け方」を整理しておきましょう。

迷っているなら、まずは1名・半年からの外国人派遣で、小さく試すことをおすすめします。

その経験が、御社にとっての「正解の採用形態」を見つける近道になります。

弊社・株式会社エムティックでは、初めての外国人採用から定着支援まで、御社の状況に合わせて伴走いたします。

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