特定技能で家族帯同はできる?1号と2号で異なる呼び寄せ可否をやさしく解説

特定技能で働く外国人が母国の家族を日本に呼び寄せられるかは、1号か2号かで大きく変わります。

特定技能の家族帯同は、1号と2号で答えが正反対になります。1号は原則として家族の呼び寄せができません。2号は配偶者と子どもの帯同が認められます。まずこの一点を、はっきり押さえてください。

「家族を呼びたいと相談されたけど、何て答えればいい?」「うちで雇っている子は呼べるの?」「2号にすれば家族と暮らせるの?」——採用や労務の現場では、こうした質問がよく飛んできます。正直なところ、ここを曖昧にしたまま採用すると、本人の期待と現実がズレて、不満や早期離職につながります。この記事では、1号と2号で帯同可否がなぜ違うのか、家族にはどんな在留資格が出るのか、そして企業がどこまで関わるべきかを、やさしく整理します。

この記事のポイント

  • 特定技能1号は家族帯同が原則できません。 1号は「相当程度の技能」を持つ人材を一定期間受け入れる区分で、家族の在留資格が制度上用意されていないためです。
  • 特定技能2号は配偶者と子どもの帯同が認められます。 在留期間の更新に上限がなく、長期定着を前提とした区分だからです。家族には「家族滞在」の在留資格が出ます。
  • 帯同可否は本人の人生設計に直結します。 だからこそ採用時の説明がカギです。会社が踏み込みすぎず、でも誤解は放置しない。この距離感が定着を左右します。

この記事の結論

  • 一言で言うと、家族を呼べるのは2号、呼べないのが1号です。
  • 最も重要なのは、採用時に「今はどちらの区分か」「将来2号に移れる見込みはあるか」を本人に正直に伝えること。
  • 失敗しないためには、帯同の可否を会社が安請け合いせず、出入国在留管理庁の運用に沿って事実だけを説明することです。
目次

🔑 特定技能1号と2号で家族帯同が異なる理由

1号は「家族帯同なし」が原則

特定技能1号は、家族の帯同が原則認められていません。これは制度の設計上、そう決まっています。出入国在留管理庁の運用要領でも、1号には家族の在留資格が用意されていない、という整理になっています。

1号は通算で5年が在留期間の上限です。人手不足の分野に、一定の技能と日本語力を持つ人材を、期限を区切って受け入れる。そういう趣旨の区分なんですね。だから「家族で日本に定住する」ことを前提にしていません。

実は、ここを知らずに採用する企業が多いんです。「うちの工場で長く働いてほしいから、奥さんも呼んであげたい」。気持ちはわかります。でも1号である限り、それは制度上できません。例外的に家族滞在が出るケースもありますが、特定技能の枠組みでは基本的に「なし」と考えてください。

2号は配偶者・子の帯同が可能

一方、特定技能2号になると、配偶者と子どもの帯同が認められます。ここが1号との決定的な違いです。

2号は「熟練した技能」を持つ人材の区分で、在留期間の更新に上限がありません。つまり、要件を満たし続ければ日本で働き続けられます。長く定着してもらうことを前提にしているので、家族と一緒に暮らせる道が開かれているわけです。呼び寄せられるのは、原則として配偶者と子どもです。親や兄弟は対象外、という点には注意してください。

ケースによりますが、2号は永住申請への道筋にもつながります。家族と暮らしながら日本でキャリアを積む。本人にとっては大きな安心材料です。

なぜ区分で扱いが分かれるのか

「どうして同じ特定技能なのに、こんなに違うの?」とよく聞かれます。理由はシンプルで、1号と2号は想定している人材像と滞在の長さが違うからです。

1号は「即戦力を一定期間」、2号は「熟練人材を長期で」。この設計思想の差が、そのまま家族帯同の可否に出ています。短期前提の1号に家族を呼ぶ仕組みを付ければ、制度の趣旨と合わなくなる。だから分けられている、と理解すると腑に落ちます。

弊社の経験上、この「区分による違い」を最初に説明しておくと、後のトラブルがぐっと減ります。本人も「今は1号だから家族は呼べない。でも2号を目指せば道はある」と納得しやすいんです。

🌏 家族帯同の在留資格と企業の関わり方

家族に出るのは「家族滞在」の在留資格

2号で家族を呼び寄せる場合、家族には「家族滞在」という在留資格が付与されます。これは就労を目的とした資格ではありません。あくまで本人(2号で働く外国人)に扶養される家族としての在留です。

ここで一つ、企業として知っておきたいこと。家族滞在では、原則として就労が認められていません。働きたい場合は「資格外活動許可」を取る必要があり、許可されても週28時間以内などの制限があります。配偶者がフルタイムで働けるわけではない、という点は誤解されやすいので注意してください。

ちなみに技人国(技術・人文知識・国際業務)などの就労資格も、家族滞在で配偶者・子を帯同できます。「就労資格なら家族を呼べるのが普通で、特定技能1号だけが例外的に呼べない」——この対比を覚えておくと、社内で説明するときに便利です。

申請手続きと企業の対応範囲

家族の呼び寄せ手続きは、基本的に本人(外国人本人)と、その家族が行うものです。会社が代理で申請するものではありません。ここは線引きが大事です。

とはいえ、企業がまったくの無関係かというと、そうでもありません。本人の在留状況や雇用が安定していること、扶養できる収入があることは、家族滞在の審査で見られます。雇用契約書や在職証明、給与の状況などの書類を会社が用意することはあります。「申請は本人、必要書類のサポートは会社」。このくらいの距離感が現実的です。

正直なところ、ここで会社が抱え込みすぎると負担が大きくなります。専門的な手続きは行政書士や登録支援機関に相談するのが安全です。弊社のように派遣・紹介・登録支援を1社で持っていると、こうした相談をまとめて受けられるので、担当者の手間が減る、という声もよくいただきます。

採用時に必ず伝えるべきこと

ある食品工場の人事担当者から、こんな相談がありました。「採用したベトナム人スタッフに『家族を呼びたい』と言われて、つい『いずれ呼べるよ』と答えてしまった。でも1号だと知って焦っている」。

これは典型的なすれ違いです。良かれと思った一言が、後で本人を失望させてしまう。だからこそ、採用時には事実を正確に伝えることが欠かせません。「今は1号なので家族帯同はできない」「2号に進めば呼べる可能性がある」「ただし2号への移行には試験や実務経験の要件がある」。この3点を最初に共有しておく。

別の介護施設の担当者は、こう話していました。「最初に『家族のことは制度上こうです』と紙で渡しておいたら、本人も納得して長く働いてくれている」。期待値を正しく合わせること。これが、家族帯同まわりで会社ができる一番大事な配慮だと感じます。

よくある質問

Q1. 特定技能1号で家族を呼ぶことは絶対にできませんか?

A. 1. 原則できません。2. 特定技能の枠組みでは1号に家族の在留資格が用意されていないためです。3. ごく例外的なケースを除き「呼べない」と考えてください。

Q2. 特定技能2号なら誰でも家族を呼べますか?

A. 1. 呼べるのは原則として配偶者と子どもです。2. 親や兄弟は対象外です。3. 扶養できる収入や安定した在留状況が審査で見られます。

Q3. 家族にはどんな在留資格が出ますか?

A. 1. 「家族滞在」が付与されます。2. これは就労目的の資格ではありません。3. 働く場合は資格外活動許可が必要で、週28時間以内などの制限があります。

Q4. 技人国など他の在留資格と何が違いますか?

A. 1. 技人国や技術系の就労資格は家族滞在で配偶者・子を帯同できます。2. 就労資格では帯同できるのが一般的です。3. 特定技能は1号だけが例外的に帯同不可、と整理すると分かりやすいです。

Q5. 家族の呼び寄せ手続きは会社がやるのですか?

A. 1. 申請は本人と家族が行います。2. 会社は雇用契約書や在職証明などの書類サポートをすることがあります。3. 専門手続きは行政書士や登録支援機関に相談すると安全です。

Q6. 1号から2号に移れば家族を呼べますか?

A. 1. はい、2号に移行すれば帯同が可能になります。2. ただし2号への移行には分野ごとの試験や実務経験の要件があります。3. 全分野で2号が用意されているか、最新の運用を確認してください。

Q7. 帯同できないことを理由に辞められないか心配です。

A. 1. ケースによりますが、説明不足によるすれ違いが離職を招くことは多いです。2. 採用時に事実を正確に伝えるのが最善の予防策です。3. 2号への道筋を一緒に描けると、定着につながりやすくなります。

まとめ

この記事のまとめ:要点3つ

  • 特定技能1号は家族帯同が原則できず、2号は配偶者・子の帯同が可能です。 この違いは制度の設計思想から来ています。
  • 家族に出るのは「家族滞在」の在留資格で、原則就労はできません。 申請は本人と家族が行い、会社は書類面でサポートする立場です。
  • 採用時の正確な説明が、すれ違いと早期離職を防ぐカギです。 安請け合いせず、事実と2号への道筋を伝えることが大切です。

家族帯同のルールは、本人の人生設計に深く関わります。だからこそ、曖昧なまま進めず、正しい情報で判断したいところ。「うちのケースだとどうなるんだろう」と少しでも迷ったら、まずは話だけでも、お気軽にご相談ください。

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