ダイレクトリクルーティングで外国人採用|自社で直接探す手間と限界

「エージェントに頼らず、自社で直接外国人材を探したい」とお考えではありませんか?

ダイレクトリクルーティングは「待ち」ではなく「攻め」の採用です。自社から候補者へ直接スカウトを送ります。仲介手数料は確かに抑えられます。ただし、外国人材で同じことをやると話は別。母国語の対応、在留資格の確認、入管書類の準備。これが全部、自社の肩にのしかかります。

「手数料がもったいないから、自分たちでやってみよう」。よくあるんです、この入り口。でも数か月後には「思っていたのと違った」という声に変わる。なぜそうなるのか。この記事では、ダイレクトリクルーティングの進め方とメリットを押さえたうえで、自社で直接やる場合の手間と限界を正直にお伝えします。どこまで内製し、どこを外に頼るか。その判断軸まで持ち帰っていただけます。

この記事のポイント

  • ダイレクトリクルーティングは手数料を抑えられるが、工数は確実に増える。スカウト送信から内定まで、人の手が要る作業が連続します。
  • 外国人採用ならではの限界は「母集団」「ビザ確認」「母国語対応」の3点に集約される。日本人採用にはない壁がここにあります。
  • すべてを内製するか丸投げするかの二択ではない。難所だけ専門家に頼る「部分委託」が現実的な落とし所です。

この記事の結論

  • 一言で言うと、ダイレクトリクルーティングは「手数料は安いが、時間と専門知識のコストが高い」採用手法です。
  • 最も重要なのは、自社の人事に外国人採用の知見と時間が「実際にあるか」を冷静に見極めること。
  • 失敗しないためには、母集団形成とビザ確認という2つの難所を、内製するか委託するか先に決めておくことです。
目次

🚀 ダイレクトリクルーティングで外国人を採用する進め方とメリット

スカウト型採用の基本的な流れ

ダイレクトリクルーティングは、求人を出して待つのではなく、企業側から候補者に声をかける手法です。流れはシンプル。まずデータベースやSNSで候補者を探す。次にスカウトメッセージを送る。返信が来たら面談、選考、内定。ここまでを自社で完結させます。

外国人材の場合、探す場所が日本人とは違います。FacebookやTikTokなど在留外国人がよく使うSNS、外国人向けの求人プラットフォーム、母国コミュニティのつながり。ここに直接アプローチします。

「求人広告を出しても、外国人からの応募はほぼゼロでした」。食品工場の人事の方が、こう話してくれたことがあります。待っているだけでは届かない層に、自分から手を伸ばす。それがダイレクトリクルーティングの発想です。

手数料を抑えられるという最大のメリット

人材紹介サービスを使うと、紹介手数料がかかります。相場は理論年収の30〜35%程度。年収300万円の人材なら、90万円から100万円を超えることもあります。これを1人ごとに払い続けると、採用コストはかなりの額に積み上がります。

ダイレクトリクルーティングなら、この成功報酬型の手数料が原則発生しません。スカウト媒体の利用料はかかりますが、採用人数が増えるほど1人あたりのコストは下がっていく。複数人をまとめて採用したい企業にとっては、ここが大きな魅力です。

正直なところ、コスト面だけ見れば、内製は理にかなっています。問題は、その先にある「見えにくいコスト」のほうなんです。

自社にノウハウが蓄積されるという利点

もう一つのメリットが、社内に採用ノウハウが残ること。どんなスカウト文面が響くのか、どの国の人材がどの職種に定着しやすいのか。やってみて初めて分かることが、データとして溜まっていきます。

外部に丸投げしていると、この知見は手に入りません。自社で手を動かすからこそ、2回目、3回目の採用が速く、上手くなる。長期的に外国人材を採り続ける方針なら、最初に苦労してでもノウハウを内製化する価値はあります。

ただし、これは「採用が軌道に乗れば」の話。軌道に乗るまでに、いくつもの壁を越える必要があります。次の章で、その壁を正直にお見せします。

🔍 自社で直接探す手間と限界|踏み込む前に知るべきこと

限界その1|母集団が集まらないという壁

最大の壁が、そもそも候補者が集まらないことです。日本人採用なら大手の求人サイトに載せれば一定の母集団が見込めます。外国人材はそうはいかない。

在留外国人は約376万人(出入国在留管理庁の統計より、自社の言葉で要約)。数としては多いのですが、就労可能で、希望職種に合い、必要な日本語力を持つ人材に絞ると、一気に少なくなります。さらに、その人たちがどこにいるのかが見えにくい。日本人のように一つのプラットフォームに集約されていないんです。

「3か月スカウトを送り続けて、面談まで進んだのが2人だけでした」。これは外食チェーンの採用担当の方の言葉。母集団がなければ、どんなに良いスカウト文を書いても返信は来ません。ここで多くの企業が止まります。

限界その2|ビザ確認と書類準備の専門性

候補者が見つかっても、次の壁が待っています。在留資格の確認です。

採用したい人材が、自社の業務で「合法的に働けるか」。これは在留カードを見れば終わり、という単純な話ではありません。在留資格の区分、認められた活動範囲、在留期限。技術・人文知識・国際業務、特定技能、身分系の資格。それぞれ働ける範囲が違います。確認を誤れば、不法就労として企業側も罰せられるリスクがある。

実は、ここが一番こわいところ。良かれと思って採用した人材が、実は資格外活動だった、というケースは珍しくありません。海外から呼ぶなら、在留資格認定証明書(COE)の申請も必要で、交付まで数か月かかることもあります。入管書類は専門用語のかたまり。本業の片手間でこなすには、相当な負担です。

限界その3|母国語対応とフォロー体制の不足

3つ目の壁が、言葉と文化のフォローです。スカウトの返信、面談、条件のすり合わせ。日本語だけでスムーズに進むとは限りません。

厚生労働省は外国人雇用において、母国語での労働条件の明示や相談体制の整備を求めています(外国人雇用管理指針の趣旨を自社の言葉で)。「分かりました」と返事をしても、実は伝わっていなかった。入社後に「聞いていない」とトラブルになる。こうした行き違いは、母国語でのフォロー体制がないと防げません。

採用して終わりではないんです。生活の立ち上げ、役所の手続き、職場への定着支援。ここまで含めて初めて、戦力として働き続けてもらえる。社内に多言語対応できる人がいなければ、この部分が丸ごと抜け落ちます。

判断基準|内製・委託・部分委託をどう選ぶか

ではどう判断するか。全部を自社で抱えるか、丸投げするか。実はこの二択ではありません。判断の軸を5つ挙げます。

1つ目、採用人数。年に1〜2人なら内製のコストメリットは小さい。まとまった人数なら内製の価値が出ます。2つ目、社内の知見。外国人採用の経験者がいるかどうか。3つ目、人事の工数。本業を圧迫しないか。4つ目、ビザの難易度。海外からの呼び寄せが絡むなら専門家は必須に近い。5つ目、定着支援の体制。入社後のフォローを誰がやるか。

正直なところ、最も現実的なのは「部分委託」です。母集団形成とスカウトは自社で、ビザ確認と入管書類、特定技能の義務的支援は専門機関に。難所だけ外に出す。私たちエムティックは派遣・職業紹介・登録支援機関の3つの許認可を持っているので、企業の状況に合わせてこの線引きを一緒に設計できます。「まず話だけ」でも構いません。

❓ よくある質問

Q1. ダイレクトリクルーティングは本当に手数料がかからないのですか?

A. 人材紹介の成功報酬(理論年収の30〜35%程度)は原則かかりません。ただしスカウト媒体の利用料や、自社の人件費・工数は別途発生します。「無料」ではなく「コストの中身が変わる」と捉えてください。

Q2. 外国人を自社で直接採用するのは違法ではありませんか?

A. 違法ではありません。直接雇用は問題ない採用方法です。ただし在留資格で認められた範囲での就労が前提です。資格外の業務に就かせると不法就労となり、企業も罰則対象になります。

Q3. 母集団はどうやって集めればいいですか?

A. 在留外国人が使うSNS、外国人向け求人媒体、既存社員からのリファラル、母国コミュニティが主な経路です。1つの媒体では集まりにくく、複数を併用するのが現実的。集まらない場合は紹介サービスの併用も検討してください。

Q4. ビザの確認は自社だけでできますか?

A. 在留カードの確認は自社でも可能ですが、資格の該当性判断や海外からの呼び寄せ(COE申請)は専門知識が必要です。判断を誤るリスクが高い部分なので、登録支援機関や行政書士への相談をおすすめします。

Q5. 日本語が話せない候補者でも採用できますか?

A. 職種によります。製造や清掃など定型業務なら一定の日本語力で対応できる場合があります。母国語でのマニュアルやフォロー体制を用意できるかが鍵。社内に対応できる人がいなければ、支援体制のある会社への委託が安全です。

Q6. ダイレクトリクルーティングと人材派遣はどちらが得ですか?

A. すぐに即戦力が欲しい、労務管理の手間を避けたいなら派遣が向きます。コストを抑えてノウハウを社内に残したいならダイレクトが向きます。弊社の経験上、繁忙期は派遣、通年雇用は直接採用と使い分ける企業が多いです。

Q7. 内製に挫折したら、途中から委託に切り替えられますか?

A. 可能です。母集団形成だけ、ビザ手続きだけ、と部分的に切り替える企業は多くいます。最初から完璧に内製を目指す必要はありません。難所が見えた段階で相談いただくのが、結果的に早道になることが多いです。

まとめ

この記事のまとめ:要点3つ

  • ダイレクトリクルーティングは手数料を抑えられるが、工数と専門知識のコストが新たに発生する。「無料」ではなく「コストの種類が変わる」採用手法です。
  • 外国人採用の限界は母集団・ビザ確認・母国語対応の3点に集約される。日本人採用にはない壁を、自社だけで越えられるかを冷静に見極めてください。
  • 内製か丸投げかの二択ではなく、難所だけ委託する「部分委託」が現実的。採用人数・社内の知見・工数・ビザの難易度・定着支援の5つで判断します。

自社で直接探す手間と限界を知ったうえで、それでも踏み出すか、難所だけ頼るか。決めるのは御社です。ただ、一人で抱え込んで止まってしまう前に、まずは話だけでも聞かせてください。御社の状況に合った線引きを、一緒に整理します。

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