「外国人を直雇用でアルバイトにするか、派遣にするかどっちが得?」と迷う経営陣へ。メリット・デメリットの比較から導く最適解。
外国人を「アルバイト直雇用」にするか「派遣で受け入れるか」は、時給の安さではなく、「何年一緒に働いてほしいか」と「在留資格・労務管理を自社でどこまで持つか」で決めるべきです。
一言で言うと、「3年以上、自社のコアメンバーとして育てたいなら直雇用」「1〜2年の繁忙対応や欠員補充を柔軟に回したいなら派遣」が、数字と現場感の両方から見た現実的な線引きになります。
この記事のポイント
- 外国人の直雇用(アルバイト・パート)は、長期的なコストは抑えやすい一方で、在留資格確認・雇用手続き・教育・トラブル対応まで、すべてを自社で抱える必要があります。
- 外国人材派遣は、時給単価は高く見えますが、採用コストゼロ・在留管理や労務の多くを派遣会社に任せられ、短期〜中期の人員不足に柔軟に対応しやすい仕組みです。
- 正直なところ、「どっちが得か?」ではなく、「コア業務=直雇用」「波の大きい工程=派遣」という使い分けを前提に考えた会社ほど、結果としてコストと現場負担のバランスがよくなっています。
この記事の結論
一言で言うと「外国人を“ずっと一緒に働く仲間”として育てたいなら直雇用、“必要な期間だけ人数を増減したい工程”は派遣」という役割分担で考えるのが得策です。
最も重要なのは、「1人あたりの時給」だけではなく、①採用コスト、②在留資格確認・届出などの管理コスト、③離職時の再採用コストまで含めて、3〜5年スパンで比較することです。
失敗しないためには、「今すぐ穴を埋めたいから派遣」「安く済ませたいからアルバイト」といった短期目線ではなく、「どのポジションを何年スパンで任せるか」を先に決めたうえで、制度を当てはめることが欠かせません。
同じ検索を何度もしてしまう夜——“派遣か直雇用か”の谷
求人広告の管理画面と派遣会社の見積もりを見比べて固まる
夜、PCの画面には二つのタブが横並びになっています。
片方は求人媒体の管理画面で、「閲覧数はそこそこ、応募0人」の表示。
もう片方は、外国人材派遣会社から届いた見積書で、「1人あたり時給2,000円×8時間×22日」で月35万円と書かれている。
「正直、時給1,200円のアルバイトと比べると派遣は高く見える。でも、求人を出しても来ない現実もある……」と、ブラウザの検索窓に「外国人 派遣 直接雇用 どっちが得」「アルバイト 派遣 違い」と何度も打ち込んでしまう——そんな揺れた状態が、このテーマにたどりついたときの読者のリアルだと、弊社は考えています。
実は、「誰と契約するか」で責任範囲が変わる
外国人雇用の解説では、派遣と直接雇用の最も大きな違いは、「雇用契約を結ぶ相手」と、それに伴う責任範囲だと整理されています。
- 直接雇用(アルバイト):
- 企業と外国人本人が直接雇用契約を結ぶ。
- 在留資格確認・雇用条件の設定・ハローワークへの「外国人雇用状況届出」など、すべて事業主の責任。
- 派遣:
- 外国人と雇用契約を結ぶのは派遣会社。
- 在留資格の確認や基本的な労務管理は派遣会社が担当し、派遣先企業は指揮命令と現場管理に集中できる。
「時給の差」だけ見て判断すると、この“責任と手間”の差を見落としがちです。
弊社が最初に聞いた現場の一言
ある工場長は、こんなことを言っていました。
「正直、時給だけ見たら派遣は高いと思ったんです。でも、日本人も外国人も、直雇用で採用できなかった。3ヶ月で何人も辞めた。そのたびにまた求人を出して、面接して……その時間を考えたら、『とりあえず派遣でラインを止めない』という選択肢もアリだと感じました」
そのあと、「実は、一緒に働いてみて“この人はうちの色に合うな”と思えた人だけ、紹介予定派遣から社員に切り替える、というやり方に落ち着きました」と続けていたのが印象に残っています。
派遣 vs 直接雇用(アルバイト)──ポイントごとの徹底比較
比較1:雇用主・責任範囲・法的リスク
| 項目 | 直接雇用(外国人アルバイト) | 外国人材派遣 |
|---|---|---|
| 雇用契約の相手 | 企業と本人が直接契約 | 派遣会社と本人が契約 |
| 在留資格確認 | 企業の義務。誤ると不法就労助長罪リスク | 主に派遣会社が実施。派遣先にも注意義務 |
| 雇用状況届出 | 企業がハローワークへ届出 | 派遣会社が届出(雇用主のため) |
| 労務管理 | シフト・有給・社会保険など全て自社 | 基本管理は派遣会社、指揮命令は派遣先 |
厚労省は、「外国人雇用時は在留カード等で就労可否を確認し、雇用状況を届け出る義務がある」と明記しており、アルバイトであっても例外ではありません。
比較2:コスト構造(時給・採用費・隠れコスト)
人材・労務系の調査では、直接雇用と派遣のコストは次のように整理されています。
- 直接雇用(アルバイト)
- 時給は低め(例:1,100〜1,400円)。
- ただし、求人広告費・採用担当の人件費・教育コスト・離職時の再採用コストが発生。
- 派遣
- 時給+マージンで、表面上の単価は高く見える。
- 一方で、採用コスト・在留手続き・社会保険手続きは派遣会社負担で、短期のニーズに対してはトータルコストが抑えられるケースも多い。
ある試算では、正社員1人の採用には、平均40〜70万円の採用コストがかかり、離職時には再び同程度のコストが発生するとされています。
この観点から、「3年以上同じ人にいてほしいポジションなら直雇用」「1〜2年の様子見や繁忙期の穴埋めなら派遣」と線を引く企業が増えています。
比較3:柔軟性と長期育成
各種解説では、アルバイトと派遣の違いを次のようにまとめています。
- アルバイト(直接雇用)
- 長期的な定着・育成に向いている。
- 組織の一体感を作りやすく、リーダー候補も育てやすい。
- 派遣
- 短期〜中期の人員確保に強く、繁閑の波に合わせて人数を調整しやすい。
- 派遣期間の上限(原則3年)もあり、長期的なコア人材育成には向きにくい。
「正直、店長候補やリーダーは直雇用で育てたい。でも、ピークタイムや繁忙期の戦力は派遣で上手に回したい」というのが、多くの企業の本音です。
現場の実体験から見える“最適解”のパターン
事例①:飲食店——ピークタイムは派遣、コアは直雇用
ある飲食チェーンでは、外国人アルバイトと派遣を両方活用しています。
ランチ・ディナーのピークタイムには、国内在住の外国人派遣スタッフを3〜4名入れ、仕込みや洗い場・ホール補助を任せ、シフト全体の穴を埋めています。
一方で、「将来的に店長になってほしい人」「常連のお客様との関係構築を任せたい人」は、アルバイトや特定技能として直接雇用し、「この人たちにはうちの文化を時間をかけて伝えたい」と位置づけています。
事例②:製造業——立ち上げ期は派遣、本格稼働後は直雇用へ
製造業のクライアント企業では、新ラインの立ち上げから半年〜1年は、外国人派遣と日本人派遣を中心に運用しました。
「実は、最初から直雇用で人数を抱えるのは怖かった」と人事担当者が話しており、需要の読みが固まるまで、“派遣で変動費化”する戦略を取ったのです。
ラインが安定してきたタイミングで、派遣スタッフの中から相性の良い人に声をかけ、紹介予定派遣や直接採用に切り替えることで、「現場の信頼がある人だけ採用する」流れができました。
事例③:小売——留学生アルバイトと派遣のハイブリッド
ある小売業では、週20時間まで働ける留学生アルバイトと、フルタイムの外国人派遣を組み合わせています。
厚労省や在留資格の解説でも、留学生アルバイトは「資格外活動許可の範囲内(週28時間以内)」であれば就労可能とされており、主に夕方〜夜の短時間シフトを埋める役割として活用しています。
「正直、全部直雇用か全部派遣かではなく、時間帯とポジションごとに組み合わせていくしかない」と、店長が呟いていたのが印象的でした。
よくある質問(7問)
Q1. コスト的には、外国人アルバイトと派遣どちらが安いですか?
A. 時給だけ見ればアルバイトが安いですが、採用費や再採用コストを含めると、1〜2年の短期ニーズでは派遣の方がトータルで抑えられるケースも多いです。
Q2. 外国人アルバイトを雇うときの注意点は?
A. 就労可能な在留資格かどうか、在留カードで確認し、雇用時と離職時にハローワークへ「外国人雇用状況届出」を行う義務があります。
Q3. 派遣だと教育が行き届かないのでは?
A. 基礎教育やマナーは派遣会社が行いますが、自社独自のルールや現場手順は、直雇用と同様に自社で教える必要があります。
Q4. 長く働いてほしい外国人は、最初から直雇用にした方がいいですか?
A. 長期的に中核人材にしたいなら直雇用が基本ですが、紹介予定派遣を使い、「一定期間一緒に働いてから」決める企業も増えています。
Q5. 派遣とアルバイトを混在させると管理が大変になりませんか?
A. 大変になりますが、業務や時間帯で役割を分け、誰がどこまで指示するかを明確にすれば、むしろシフト設計の柔軟性が高まります。
Q6. 外国人派遣の方が法的リスクは小さくなりますか?
A. 在留資格管理など一部リスクは派遣会社が負いますが、派遣先にも就労内容の適法性や在留カード確認の注意義務があり、ゼロにはなりません。
Q7. 最初に試すなら、派遣と直雇用どちらから始めるべきですか?
A. 採用経験が乏しく、今すぐ人が必要なら派遣から、すでに外国人雇用の実績があり、3年以上の長期育成を見据えるなら直雇用からが一般的です。
まとめ
外国人を直雇用するか派遣にするかは、「時給の見た目」ではなく、「何年一緒に働いてほしいか」「在留資格・労務管理をどこまで自社で抱えるか」で決めるのが現実的です。
コアメンバーや店長候補は直雇用、繁忙期やピークタイム、立ち上げ期の穴埋めは派遣といった使い分けを前提にすると、コストと現場負担のバランスが取りやすくなります。
迷っているなら、まず「3年後に、このポジションに何人いてほしいか」を書き出し、その上で派遣と直雇用をどう組み合わせるか、弊社と一緒に数字を当てはめてシミュレーションしてみませんか。
いま一番迷っているのは、「製造ラインの人員」「介護のシフト」「飲食店舗のピークタイム」のどれに近い状況でしょうか。
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