「外国人を採用してみたいけれど、何から手をつければいいのか、本当にうちでも雇えるのかわからない」と不安に感じていませんか?
外国人採用は、正しい順番で進めれば決して難しくありません。つまずく企業の多くは、知識不足ではなく「最初の一歩の踏み方」を間違えています。まず決めるのは在留資格と採用手段の2つ。ここが固まれば、費用も期間も逆算できます。
「うちみたいな小さな会社でも雇えるの?」「日本語が通じなかったらどうしよう」「ビザの手続きって難しそう」。相談の現場で、最初に出てくる声はだいたいこの3つです。正直なところ、不安の中身は会社によって少しずつ違います。この記事では、よくある疑問を採用方法・費用・ビザ・日本語の4テーマで整理し、ご自身で判断の軸を持てるようにお伝えします。
この記事のポイント
- 外国人採用は「在留資格」と「採用手段」の2つを先に決めるとスムーズ。求人を出すより前に、どの仕事をどの資格の人に任せるかを固めるのが近道です。
- 費用は手段で大きく変わる。派遣・紹介・直接採用+登録支援で、初期費用も毎月の負担も別物になります。内訳を分けて考えるのがコツです。
- 日本語レベルは「業務に必要な範囲」で判断する。完璧な日本語を求めると母集団が一気に狭まります。現場で本当に必要な会話量を見極めましょう。
この記事の結論
- 一言で言うと、外国人採用は「自社の状況に合う採用手段を選べるか」で成否が決まります。
- 最も重要なのは、採用したい仕事と候補者の在留資格を一致させること。ここがズレると許可が下りません。
- 失敗しないためには、1社即決せず、派遣・紹介・支援委託の費用と手間を比較して決めることです。
🔍 何から始める?外国人採用の進め方の全体像
初めての外国人採用は、順番さえ間違えなければ迷いません。ここでは「どこから手をつけるか」の全体像を整理します。求人を出すのは、実はかなり後の工程です。
まず決めるのは「採用手段」と「在留資格」
最初にやるべきは、求人原稿づくりではありません。「どの採用手段を使うか」と「どの在留資格の人を雇うか」、この2つを決めることです。
採用手段は大きく分けて3つ。①人材派遣(派遣会社のスタッフを受け入れる)、②人材紹介(紹介を受けて自社で直接雇用)、③自社で直接募集(求人媒体やSNS、リファラル)です。それぞれ費用も手間も全く違います。
在留資格は仕事の中身で決まります。事務や技術なら「技術・人文知識・国際業務」、現場作業中心なら「特定技能」、身分系(永住者・定住者・日本人の配偶者など)なら職種の制限がありません。実はこの「身分系の在留外国人」を採用できると、業務範囲の縛りがなく一番自由度が高いんです。
自社でやるか、外部に任せるかを決める
次に考えるのが、どこまで自社でやるかです。ビザ申請、書類準備、入社後の生活サポート。これを全部社内で抱えると、人事担当者がパンクします。
「最初は自分たちでやろうとしたんですが、入管の書類で3回差し戻されて、結局2か月遅れました」。食品工場の人事の方から、こういう話はよく聞きます。実際、申請書類は雇用契約書や登記事項証明書、決算書類など十数種類に及ぶことも珍しくなく、1か所の記載不備で全体が止まります。よくあるのが、自社対応の負担を甘く見るケースです。専任の担当者を置けない中小企業ほど、初回は外部の手を借りたほうが結果的に早く確実に進みます。
外部に任せる選択肢としては、人材派遣会社、人材紹介会社、登録支援機関、行政書士などがあります。弊社のように派遣・紹介・登録支援を1社で持っていると、状況に応じて手段を切り替えられるので、相談先を分散させずに済みます。
スケジュールを逆算して動き出す
最後がスケジュールの逆算です。ここを軽く見ると、繁忙期に間に合いません。
国内に既に住んでいる在留外国人を派遣で受け入れる場合、条件が合えば最短3日で稼働できることもあります。一方、海外から呼び寄せる場合は在留資格認定証明書(COE)の交付に数か月かかります。「いつまでに何人欲しいか」から逆算して、手段を選ぶ。この順番です。
厚生労働省の「外国人雇用状況の届出」を見ると、日本で働く外国人は年々増え続けています。人手不足の現場では、もはや外国人材は特別な存在ではありません。だからこそ、早く動いた会社から良い人材を確保できる。これは現場で何度も実感してきたことです。
正直なところ、急ぎなら国内在住者を、じっくり育てたいなら新卒留学生を、という具合に、ゴールから手段が決まります。
💡 採用手段はどう選ぶ?派遣・紹介・直接採用の使い分け
採用手段の選び方は、「コスト」「スピード」「定着への関与度」の3つで考えると整理できます。ここでは3つの手段の向き不向きを比べます。
人手不足を今すぐ埋めたいなら「派遣」
とにかく早く、管理の手間をかけずに人を確保したい。そんなときは人材派遣が向いています。
派遣の特徴は、雇用契約が派遣会社との間にあること。給与計算も社会保険も派遣元が担うので、受け入れ側の労務負担が軽くなります。費用は派遣料金として毎月支払う形で、その中にマージンが含まれます。ちなみに弊社のマージン率は23.8%として情報公開しています。マージン率は会社選びの一つの目安になりますから、比較する際は必ず確認してください。
繁忙期だけのスポット活用にも向いています。「年末の2か月だけ」という使い方も可能です。
長く自社で雇いたいなら「紹介」か「直接採用」
将来は自社の戦力として定着させたい。そのときは人材紹介か直接採用を選びます。
人材紹介は、紹介手数料を払って候補者を紹介してもらい、自社で直接雇用する形です。手数料の相場は、想定年収の20〜35%程度が一つの目安。一度払えば、その後の毎月の費用はかかりません。
直接採用(SNS・リファラル・求人媒体)は手数料を抑えられますが、母国語対応やビザ確認を自社で背負います。実は、すでにいる外国人社員からの紹介は定着しやすく、コストも低いので侮れません。
「採用費を抑えたくて自社のSNSだけで募集したら、応募は来たけれど在留資格の確認でつまずいて」。ホテルの採用担当の方から、こんな相談を受けたこともあります。費用を抑える手段ほど、自社で背負う作業が増える。ここはトレードオフだと割り切って選ぶのが賢いやり方です。
特定技能を使うなら「登録支援機関」も視野に
特定技能の外国人を雇う場合は、義務的支援という仕組みがあります。
特定技能1号では、受け入れ企業に生活オリエンテーションや定期面談などの支援義務が課されます。これを自社で全部やるのは正直しんどい。そこで、登録支援機関に支援を委託する選択肢が出てきます。
出入国在留管理庁の運用要領でも、支援体制が整っていることが受け入れの前提とされています。ケースによりますが、初めて特定技能を受け入れる企業は、支援を委託したほうが結果的に安く付くことが多いです。
❓ よくある質問
Q1. 小さな会社でも外国人を採用できますか?
A1. はい、従業員数や資本金の規模は基本的に問われません。労働関係法令を守り、必要な受け入れ体制を整えていれば、数名規模の会社でも採用できます。むしろ人手不足の中小企業ほど活用されています。
Q2. 外国人採用にかかる費用はどのくらいですか?
A2. 手段で大きく変わります。紹介は想定年収の20〜35%が相場で、年収300万円なら60〜105万円程度が一括の目安です。派遣は毎月の派遣料金にマージン(弊社は23.8%)が含まれ、初期費用を抑えられる一方で継続的なコストがかかります。特定技能の支援委託は1人あたり月額2〜3万円程度が一つの目安で、人数が増えても固定的な負担で済みます。初期費用と毎月の負担を分けて、自社の採用人数と期間で総額を試算するのがおすすめです。
Q3. 日本語がどのくらいできれば採用できますか?
A3. 業務に必要な範囲で判断するのが現実的です。接客なら高めの会話力、現場作業なら指示が通る程度で十分なことも多いです。完璧を求めると候補者が激減します。
Q4. ビザ(在留資格)の手続きは難しいですか?
A4. 仕事と資格を一致させるのが最大のポイントです。書類は多いですが、専門家や支援機関に任せれば負担は減ります。海外採用はCOE交付に数か月、国内在住者なら短縮できます。
Q5. どの在留資格の人なら自由に働けますか?
A5. 永住者・定住者・日本人の配偶者などの身分系は職種の制限がありません。技人国や特定技能は業務範囲が決まっているので、仕事内容との一致確認が必須です。
Q6. すぐに働き始めてもらうことはできますか?
A6. 国内在住の在留外国人を派遣で受け入れる場合、条件が合えば最短3日で稼働できることもあります。海外からの呼び寄せは数か月かかるため、急ぎなら国内在住者が現実的です。
Q7. 採用後のサポートまでお願いできますか?
A7. はい、登録支援機関や派遣会社に委託すれば、入社後の生活サポートや定期面談まで任せられます。弊社は派遣・紹介・登録支援を1社で対応しているので、状況に応じて切り替えられます。
まとめ
この記事のまとめ:要点3つ
- 外国人採用は「在留資格」と「採用手段」を先に決めるのが近道。求人を出す前に、どの仕事を誰に任せるかを固めましょう。
- 費用は手段で別物になる。派遣・紹介・直接採用+支援委託を、初期費用と毎月の負担に分けて比較するのがコツです。
- 日本語は業務に必要な範囲で判断する。完璧を求めず、現場で本当に必要な会話量を見極めると母集団が広がります。
最初の一歩さえ間違えなければ、外国人採用は思ったより身近な選択肢です。「うちでも雇えるのかな」と迷っている段階こそ、話してみる価値があります。いきなり契約ではなく、まずは話だけでも。自社の状況に合う手段を一緒に整理するところから始めてみませんか。
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