「外国人を採用したいけれど、声をかけてから実際に働き始めるまでどのくらいかかるの?」と不安に感じていませんか?
外国人採用の所要期間は、誰を採るかで大きく変わります。すでに日本にいる在留者なら最短数日〜数週間。海外から呼び寄せるなら、在留資格認定証明書(COE)の関係で数か月かかります。同じ「外国人採用」でも、この差は決定的です。ここを知らずに動くと、繁忙期にまったく間に合いません。
「来月の繁忙期に間に合わせたいんだけど…」「ビザって、申請したらすぐ下りるんだよね?」「海外から呼ぶと半年って本当?」――検索窓の前で、そんな声が聞こえてきそうです。正直なところ、この感覚のズレが、外国人採用で一番つまずきやすいポイント。この記事を読めば、いつ動き出せばいいのか、自社のケースで逆算できるようになります。
この記事のポイント
- 国内在留者なら最短数日〜数週間、海外採用なら数か月。誰を採るかで所要期間は10倍近く変わります。まず「国内か海外か」で見積もりを分けるのが出発点です。
- 時間を食うのはビザ(在留資格)まわり。海外採用ではCOEの審査だけで1〜3か月、その後の査証発給と渡航準備も加わります。書類の不備は一発で数週間の遅れにつながります。
- 間に合わせる鍵は「入社日からの逆算」。繁忙期や事業計画の起点を決め、そこから工程を巻き戻して募集開始日を決めるのが現実的な進め方です。
この記事の結論
- 一言で言うと、外国人採用の期間は「国内在留者か、海外からの呼び寄せか」でほぼ決まります。
- 最も重要なのは、入社希望日から逆算してスケジュールを引くこと。
- 失敗しないためには、急ぎなら国内在留者、計画的に増やすなら海外採用、と入口を使い分けることです。
⏳ 募集から入社まで、実際は何か月かかるのか
外国人採用にかかる時間を知るには、工程を分解するのが近道です。ざっくり「募集・選考」「ビザ手続き」「入社準備」の3つに分かれます。このうち読みにくいのが、真ん中のビザ手続き。ここの長さがケースごとに大きく違います。
国内在留者なら最短数日〜数週間
すでに日本に住んでいる在留者の採用は、とにかく速い。就労可能な在留資格(特定技能や技術・人文知識・国際業務、永住者・定住者など身分系)を持つ人なら、面接から就業まで数日〜数週間で動けるケースもあります。
弊社の経験上、食品工場やホテルの「とにかく今すぐ人が欲しい」という現場では、この国内在留者の即戦力が圧倒的に頼りになります。実際、ある外食チェーンの店長さんからは「広告を3か月出しても日本人の応募ゼロだったのに、紹介してもらった在留者の方は面接の翌週から入ってくれた」という声がありました。別の事例では、面接から実際の初出勤まで実働5日というスピードで決まったケースもあります。生活基盤も日本語力もある人なら、入社後のオリエンテーションも1〜2日で済み、立ち上がりも早いのです。
ただし、ケースによりますが、今の在留資格で「うちの仕事ができるか」の確認は必須。資格外の業務をさせると不法就労になります。ここだけは速さに任せず、丁寧に。
海外採用はCOEで数か月が前提
一方、海外にいる人を呼び寄せる場合は、話がまるで変わります。中心になるのが在留資格認定証明書(COE)。これを日本の出入国在留管理庁に申請し、交付を待ち、それを本国に送って現地の日本大使館・領事館で査証(ビザ)を取り、ようやく渡航――という流れです。
出入国在留管理庁が公開している審査の目安でも、在留資格認定証明書の交付には申請から1〜3か月程度かかるとされています。さらに査証発給に2〜3週間、渡航や住居の準備に2〜4週間ほどが加わります。たとえばCOE申請から逆算すると、4月に申請しても実際の入社は8月以降になる、というのは決して珍しいパターンではありません。トータルで「半年近く見ておいてください」とお伝えすることも珍しくありません。
「思ったより長い」と驚かれますが、これが海外採用の現実。逆に言えば、計画さえ立てれば確実に増やせる手法でもあります。
「日本人の中途採用と同じ感覚」が落とし穴
よくあるのが、日本人の中途採用の感覚で「2〜3週間で来るよね」と構えてしまうパターンです。実は、ここが一番の事故ポイント。
ある介護施設の採用担当の方は、こうおっしゃっていました。「内定を出した時点で来月から働けると思い込んでいて、ビザの話を後から知って真っ青になった」と。海外採用だったため、結局そこから3か月以上。シフトの穴埋めに苦労されたそうです。
厚生労働省の「外国人雇用状況の届出」でも、外国人労働者は年々増え続けていますが、その裏では制度の理解不足によるスケジュール事故も少なくありません。まず「日本人採用とは時間軸が違う」と切り替えるところから始めてください。
📅 繁忙期に間に合わせる逆算スケジュールの組み方
期間が読めたら、次は実務です。ポイントはただ一つ、「入社日から逆算する」こと。募集を起点にすると、たいてい後ろ倒しになって間に合いません。
まず「入社させたい日」を決める
最初に決めるのは、募集開始日ではなく入社日です。繁忙期のピーク、新店オープン、契約更新のタイミング――事業の起点を一つ決めます。
たとえば「12月の繁忙期に戦力化したい」なら、国内在留者でも研修期間を考えて11月入社、海外採用なら逆算して夏前には動き出す計算になります。この「ゴールから引く」感覚があるだけで、慌てる確率がぐっと下がります。実際、計画的に動けた企業ほど「気づけば間に合っていた」と落ち着いています。
国内採用と海外採用で逆算の幅を変える
逆算の長さは、入口によって変えます。目安はこうです。
国内在留者なら、入社日の1〜1.5か月前から募集・選考を始めれば、多くのケースで間に合います。海外採用なら、COEの審査と渡航準備を見込んで、4〜6か月前には動き出すのが安全圏。ケースによりますが、書類準備に手間取る初回はもう少し余裕を見たほうがいいでしょう。
「急ぎは国内、計画は海外」。この二刀流を持てると、繁忙期の山を毎年安定して越えられます。弊社でも、まず国内在留者で穴をふさぎ、並行して海外採用を仕込む、という組み合わせをよくご提案しています。
遅れの大半は「書類」で起きる
スケジュールが崩れる原因の多くは、審査そのものより書類の不備です。記載漏れ、翻訳の不足、在留資格と業務内容のズレ。一つでも引っかかると、追加資料の提出でまた数週間。
ある百貨店の人事の方は「雇用契約書の業務内容の書き方が在留資格と微妙に合わず、差し戻しで1か月ロスした」と苦笑いされていました。正直なところ、この手のロスは事前のチェックでかなり防げます。専門家や登録支援機関と組むのは、この「手戻りを消す」価値が大きいのです。職業安定法や入管法のルールに沿った書類を最初から整える――地味ですが、ここが効きます。
よくある質問
Q1. 結局、外国人採用は最短どのくらいで入社できますか?
A. 国内在留者で就労資格を持つ人なら、最短で数日〜数週間です。海外からの呼び寄せはCOEの関係で数か月かかります。誰を採るかで大きく変わります。
Q2. 海外採用が数か月かかるのはなぜですか?
A. 在留資格認定証明書(COE)の審査に1〜3か月、その後の査証発給や渡航準備が加わるためです。出入国在留管理庁の審査目安でも交付まで1〜3か月程度とされています。
Q3. 繁忙期に間に合わせるには、いつ動けばいいですか?
A. 入社日から逆算します。国内在留者なら1〜1.5か月前、海外採用なら4〜6か月前が目安です。初回は書類準備を見込んでさらに余裕を持たせると安心です。
Q4. 日本人の中途採用と同じスケジュールでは進められませんか?
A. 進められません。日本人採用にはないビザ審査が入るためです。特に海外採用は時間軸が大きく異なるので、別物として計画を立ててください。
Q5. スケジュールが遅れる一番の原因は何ですか?
A. 審査そのものより、書類の不備による差し戻しです。記載漏れや在留資格と業務内容のズレで、追加提出に2〜4週間ほどかかることがあります。弊社の実感では、差し戻しの多くは雇用契約書と申請理由書の記載のズレに集約され、事前チェックでかなり防げます。
Q6. 急ぎたいとき、海外採用を早める方法はありますか?
A. 海外採用の審査期間を大きく縮めるのは困難です。急ぎの欠員には、まず国内在留者で対応し、海外採用は計画枠として並行で進める使い分けが現実的です。
Q7. 自社だけで進めるのと、支援を頼むのとで期間は変わりますか?
A. 変わることが多いです。書類の手戻りが減る分、結果的に短縮されるケースがあります。ケースによりますが、初めての受け入れでは専門家との並走が安全です。
まとめ
この記事のまとめ:要点3つ
- 外国人採用の期間は「国内在留者か海外採用か」でほぼ決まります。前者は最短数日〜数週間、後者はCOEで数か月。まず入口を見極めることが出発点です。
- 間に合わせる鍵は入社日からの逆算。国内なら1〜1.5か月前、海外なら4〜6か月前を目安に、ゴールから工程を巻き戻して募集開始日を決めましょう。
- 遅れの大半は書類で起きます。在留資格と業務内容を最初から合わせ、手戻りを消すことが、結果的に最短ルートになります。
スケジュールの不安は、一度自社のケースで線を引いてみると驚くほど整理されます。「うちの繁忙期だと、いつ動けばいいんだろう?」――その逆算、ぜひ一緒にやらせてください。まずは話だけでも構いません。国内在留者の即戦力から計画的な海外採用まで、状況に合わせた進め方を一緒に考えます。
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