制度の構成要素を理解する!特定技能の「対象分野」と技能実習の「職種」

「うちの工場・居酒屋・ホテルは特定技能で外国人を雇えるエリア?」と気になる経営者へ。制度を構成する対象職種(要素)のすべて。

特定技能の「特定産業分野」は現在16分野、技能実習(移行対象職種)は約90職種170作業と整理されており、自社がどこまで受け入れ可能かは「分野・職種・作業レベル」で照らし合わせて判断できます。

一言で言うと、「御社の工場・居酒屋・ホテルが対象かどうか」は、“自社の実際の仕事内容”を、出入国在留管理庁と厚生労働省が公表している分野・職種一覧に一度冷静にマッピングすることで、かなりクリアになります。


目次

【この記事のポイント】

  • ただし新たなリネンサプライ・物流倉庫・資源循環は、関係規定・試験等の整備と実際の受入れ開始を区別する必要があります。採用前に、入管及び分野所管省庁の最新の受入れ可能分野・業務区分を確認してください。
  • 技能実習は約94職種171作業(移行対象)と細かく区切られており、「工場」「建設」などのざっくりした名前ではなく、“作業レベル”で対象かどうかが決まります。

この記事の結論

  • 一言で言うと「特定技能は“16分野のどれに当たるか”、技能実習は“94職種171作業のどこに当たるか”を先に特定してから、受け入れ可否を判断する」のが、もっとも安全な進め方です。
  • 最も重要なのは、自社の実際の業務内容を“採用したいポジション単位”で分解し、特定技能の分野別Job Descriptionと、技能実習の職種・作業一覧を照らし合わせることです。
  • 失敗しないためには、「業種名だけで安易に判断しない」「グレーな業務を特定技能に混ぜない」「必要なら登録支援機関や専門家と一緒にマッピングを行う」ことが不可欠です。

まず「うちの仕事」がどこに載っているかを知る

夜中に「特定技能 14分野 一覧」と打ち込んでしまう経営者

月末の締めが終わった23時、オフィスの明かりがほとんど消えた中で、ひとりPCの前に座り、「特定技能 14分野」「技能実習 職種 一覧」と検索する。

法務省のPDFやよく分からない図解ブログをタブで開きすぎて、ブラウザの上部がアイコンだらけになり、「結局、うちの工場はどこに入るんだ」と小さく息が漏れる。

よくあるのが、「とりあえず外食業」「とりあえず工業製品製造業だろう」と当たりをつけてはみるものの、Job Descriptionの細かい文言を読み始めたあたりで、スマホを置いてしまうパターンです。

特定技能は“16分野”、技能実習は“94職種171作業”がスタート地点

出入国在留管理庁は、特定技能1号の受け入れ分野として、介護・ビルクリーニング・工業製品製造業・建設・造船・自動車整備・航空・宿泊・農業・漁業・飲食料品製造・外食業・自動車運送・鉄道・林業・木材産業の16分野を公表しています。

一方で、技能実習(移行対象職種)は、農業・漁業・建設・食品製造・繊維・機械金属など7カテゴリーにまたがり、94職種171作業として細かく定義されています。

実は、この「16分野」と「94職種171作業」は、特定技能と技能実習をつなぐ“制度の地図”のようなもので、自社の仕事がどこに載っているかを知ることが最初の一歩になります。

検討時に確認したいポイント

必要な業務・人数・勤務条件・就業開始の希望時期を整理し、対応可能な範囲を確認してください。効果や適合性は個別の条件で異なります。

特定技能の16分野と、自社がどこに当たるのか

特定技能1号の16分野をざっくり整理する

特定技能1号の分野ごとの仕事内容は、出入国在留管理庁のJob Descriptionで公表されています。

大まかに見ると、以下のようなイメージです(代表的な業務例)。

分野 代表的な仕事の例
介護 施設での身体介護・生活支援など
ビルクリーニング オフィス・施設の清掃、客室清掃など
工業製品製造業 機械部品や金属製品の加工・組立
建設 型枠・鉄筋・とび・左官など現場作業
造船・舶用工業 造船工場での溶接・組立
自動車整備 自動車の点検・修理
航空 空港でのグランドハンドリングなど
宿泊 ホテルのフロント・客室対応・レストランなど
農業 露地野菜・施設園芸の栽培管理など
漁業 漁船での操業・水産加工場での選別など
飲食料品製造 食品工場での製造・包装
外食業 調理・接客・店舗管理など
自動車運送 トラック・バス・タクシーの運転など
鉄道 列車運転・車両整備など
林業 伐採・造林など山林での作業
木材産業 製材・合板製造など

「工場」「居酒屋」「ホテル」というざっくりした言葉は、上のどの分野に乗るのかを、まずはJob Descriptionの文言で確かめるのが安全です。

対象かどうかを見極める“3つの質問”

  1. 実際にやってもらいたい仕事は、Job Descriptionに書いてある業務とほぼ重なるか。

検討時に確認したいポイント

必要な業務・人数・勤務条件・就業開始の希望時期を整理し、対応可能な範囲を確認してください。効果や適合性は個別の条件で異なります。

技能実習の「職種・作業」とのつながりを理解する

技能実習は“職種名”より“作業”が大事

技能実習の対象職種は、厚生労働省の「移行対象職種・作業一覧」で94職種171作業として定義されています。

例えば、「機械・金属関係」の中だけでも、機械加工、金属プレス、仕上げ、電子機器組立てなど、かなり細かく分かれています。

実は、「うちは機械加工っぽい」という感覚ではなく、一覧に載っている作業名と日々の業務内容を一つずつ照らしていく作業が必要です。

特定技能と技能実習の“橋渡し”としての職種

多くの解説では、「技能実習の職種・作業」と「特定技能の分野」が、移行しやすいように設計されていると説明されています。

例えば、食品製造系の技能実習からは飲食料品製造分野、建設の技能実習からは建設分野、機械・金属の技能実習からは工業製品製造業分野、といった形です。

ケースによりますが、「今、実習で受け入れている職種がどの特定技能分野につながるのか」を一度一覧表で把握しておくと、中長期の人員計画が立てやすくなります。

現場で伺った「実は、実習職種を間違えていた」というお話


よくある質問(7問)

Q1:特定技能の分野は今いくつありますか?

A:特定技能1号は現在16分野で、介護・外食・宿泊など人手不足分野ごとに定められています。

Q2:自社が特定技能の対象かどうかは、どうやって調べますか?

A:入管庁のJob Descriptionで16分野の業務内容を確認し、自社の実際の仕事とどの程度一致するかを照らし合わせて判断します。

Q3:技能実習の職種は何種類ありますか?

A:厚労省の移行対象職種一覧では、94職種171作業として定義されています。

Q4:技能実習のどの職種から特定技能に移行できますか?

A:多くの職種で特定技能の対応分野が整理されており、食品製造→飲食料品製造、建設→建設、機械金属→工業製品製造業などが典型例です。

Q5:工場で軽作業全般をお願いしたい場合、どの分野に当たりますか?

A:業務内容によりますが、製品加工や組立が中心なら工業製品製造業分野、食品ラインなら飲食料品製造分野が候補になります。

Q6:居酒屋・レストランは特定技能の対象になりますか?

A:一般的な飲食店は外食業分野の対象となり、調理・接客・店舗管理などがJob Descriptionに含まれています。

Q7:ホテルでフロントと簡単な調理を両方お願いしたい場合は?

A:宿泊分野をベースとしつつ、業務の大部分がどちらに寄っているかを確認し、分野外業務が多くなりすぎないよう設計する必要があります。


分野・職種・作業の名前を取り違えない

制度ごとに使われる分類の名前を、一つの共通分類のように扱わないことが大切です。自社の工程を説明する資料を作り、どの分類のどの業務に当たるかを現行の資料で確認します。似た名称があるから移行できると判断せず、必要な試験や条件も別に確認しましょう。

在留資格名と実際の担当業務を照合する

就労可否を確認する際は、在留資格の名称を一覧表に当てはめるだけで終わらせず、実際に任せる業務を具体化します。部署名や職種名が同じでも、日常の作業内容は会社によって異なります。主な仕事、付随する仕事、勤務場所、業務の割合などを整理し、本人の在留状況と照合できるようにしてください。資格名だけで判断がつかない場合は、どの作業が問題となるのかを明確にして、出入国在留管理庁などへ確認します。

本人から説明を受ける際は、在留カードの記載だけでなく、必要に応じて指定書や資格外活動許可など、判断に関わる資料を確認します。確認が必要な資料は在留状況によって異なります。日本に住んでいることや、前の会社で働いていたことを、そのまま自社でも同じ条件で働ける根拠にしないでください。採用担当者が確認した内容を現場にも必要な範囲で伝え、担当可能な業務と確認中の業務を区別します。

採用時の確認結果は、業務や在留状況が変われば見直しが必要です。配置転換、勤務先の変更、副業の申出などを、在留資格の確認担当者へつなぐ運用を決めます。申請をしたことと許可されたことは区別し、許可を見込んで未確認の業務を始める計画は避けましょう。確認した日、参照した資料、問い合わせ先、回答内容を記録しておくと、担当者が変わっても判断の経緯をたどれます。個別事情を省いて、過去の回答を別の人へそのまま当てはめないことも大切です。

書類の一覧を、実際に使える進行表にする

必要書類の名前だけを並べても、誰が用意するのか決まっていなければ手続きは進みません。進行表には、書類名、作成する人、確認する人、取り寄せ先、取得予定日、提出先を分けて記入します。本人が準備する資料と会社が作成する資料を区別し、翻訳が必要か、原本を提示するのか、写しを提出するのかも確認しておきましょう。提出先によって条件が異なるため、以前の案件で使えた資料をそのまま流用せず、今回の案内と照合することが大切です。

まとめ

  • 特定技能は16分野、技能実習は94職種171作業という“制度の地図”があり、自社の仕事がどこに載っているかを確認することがスタート地点です。
  • 「工場」「居酒屋」「ホテル」といった業種名だけでは判断せず、Job Descriptionと職種・作業一覧を使って、業務内容レベルでマッピングすることが、不法就労リスクを避ける近道です。

迷っていらっしゃるなら、まず「任せたい仕事」を3つだけ箇条書きにし、その内容から弊社と一緒に分野・職種を特定していくやり方を試してみませんか。

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派遣・人材紹介・特定技能の支援について、必要な人材と受け入れ体制を整理しましょう。採用方法が決まっていない段階でも、現在のお困りごとをお知らせください。

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お問い合わせの際は「業務内容・勤務地・人数・希望時期」をお知らせいただくと、確認がスムーズです。

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