企業様インタビューVol.3『外国の方は素直だから採用したいと思った』赤坂食堂gen様/居酒屋スタッフの採用
今回は、創作料理居酒屋を営んでいる赤坂食堂genのオーナーである大瀧様にインタビューをさせていただきました。赤坂食堂gen様では、外人バンクのアルバイト紹介サービスを使ってフィリピン人の学生を採用いただいています。
※2019年6月24日取材
ー外国の方の採用をしたのは今回が初めてですか?どのような経緯で外国の方を採用するに至ったのか教えてください。
そうだね。外国人は今回が初めてだね。
ちょうど大学生が卒業だったり就職で人が足りなくなる時期で、採用が必要だったときに外人バンクの営業さんが来たんだよ。
外国人に関しては、お客さんや身近な人と話をしているときに『外国人は素直だし採用するのはいいんじゃないか』という話題が出ていたから。採用することへの抵抗はなかったね。
ーなるほど、では今回たまたま欠員もあり、採用がなかなか決まらないタイミングで外人バンクの提案があったんですね。今までの採用は求人広告で行っていたんですか?
よくあるメジャーな求人広告に掲載はしてたかな。2週間で数万円とかの。それを選んだのは、うちで働いていた大学生に『応募するとき何を見る?』聞いたら、そこの求人広告をよく見るって言ってたから選んだかな。
でも全然応募は来なかったから困っていたね。
あと、広告だと高いよね。高い枠の広告掲載をしてないから応募が入りづらかったんだろうけど、求人広告のその仕組み自体があまり好きじゃないと思っている。
無料掲載って言ってる求人媒体もあるけど、けっきょく課金しないと応募来ないし、ある程度、高い広告費を払っていかないと掲載順位が上がらないから、正直それはあまり良く思っていなかったんだ。
それだったらアルバイト紹介で、ちゃんと面接して、採用が決まってからお金払う採用方法の方がいいかなって思ったよ。
ーそうだったんですね。確かに、確実に採用してから費用が発生する方が、雇用側としては納得感はありますよね。
このくらいのお店の規模感ですと、ホールと洗い場を兼務してもらっているんでしょうか??
そうだね。彼女にはホールと、洗い場と、お酒作るところをやってもらっている。
この店は、平日の後半から週末になると混んでくるから3人で回してる感じだね。だいたい仕事終わりの19時くらいから混んでくるからさ。
ーこの赤坂エリアだと、週末の夜は常連さんのサラリーマンなども多そうですよね。
今働いている外国人スタッフさんの働きぶりは、実際どうですか?
もう仕事には慣れてきていて、ほとんどのことは自分で動いてくれるから助かっているよ。でもたまにとんちんかんなことすることはあるかな。
ーとんちんかんというと、具体的にどんなことですか?!
お酒を作るときに、サワーって言うと炭酸で割って作るものなんだけど、間違えて違うジュースとかで割っちゃったりする感じかな。
お酒の種類がたくさんあって『~のトマト割り』とか『~の焼酎割り』とかいろいろあるでしょ。これは日本人でも難しいけどね。
焼酎って言っても、そのまま飲むための焼酎と、割りものに使う専用の焼酎があるじゃない。あれを覚えるのが大変みたいだね。
ーなるほど、、、それは結構難しそうですね。私でもメニュー覚えるのが大変そうです!
それらのメニューを教えたり、仕事を教えるときは、どのようにして教えているのですか?マニュアルみたいなものはあるんでしょうか。
いや、ほとんどのことは口頭で説明して教えてるよ。でも彼女の場合は、わからないことは自分でどんどん聞いてくるから、そこは良いとこだよね。
この辺は、個人差があると思うけど、彼女は自分で聞いてくるし積極的で、自分で覚えられるように英語でメモ書いたりしてるみたいで、すごく感謝してるよ。
ーそうなんですね!こういう飲食店さんだと常に忙しいですし、きれいなマニュアル作成をして、1個ずつ教える時間はとりづらいですもんね。だからこそ、そうやって前向きに自分から質問してくれるのは素晴らしいですね!
まぁいちばん初めの1週間が一番大変だったんじゃないかな。別にうちのスタッフも、英語ペラペラではないよ。でも中学から大学まで英語の勉強はしてるから、英単語くらいは使える。
お互いカタコトの日本語と、わかる範囲の英単語でやり取りしてなんとかやってる感じかな。
あとは採用して最初にちゃんと言ったのは、『分からないことは、分からないってはっきりと言ってくれ』ということ。これはきちんと伝えたよ。
笑ってごまかされてもだめだから、理解できないことはきちんと聞いてくれと話したね。
ー分からないことをごまかさないというのは大切なことですね。英単語をつないでコミュニケーションをとるとき、大変ではありませんでしたか?
そうだね、こちらも話したい単語がスッと出て来ない時もあるから、それは大変ではあった。
そういう言葉が分からない時はスマホに直接文字を打って見せて、伝えるようにしてやり取りしたよ。逆に言うとスマホで調べちゃえばなんとかなるってことだね。
ースマホを使いこなせば、英単語とカタコトでも外国人と仕事はできるってことなんですね。それってすごく重要なことで、これから外国人を採用する企業様の背中を押す素敵な話だと思います。
その他、一緒に働いていて気になることとか、他のスタッフさんとの関わり・お客さんとのコミュニケーションはどうですか?
他の日本人スタッフとは問題なくやってるよ。ただ、フィリピン人の性格なのか、日本人ほどキビキビと動けない時もあるかもしれないね。
どうしても飲食店だから、急に忙しくなってきたら、状況にあわせてテキパキ動かなくちゃいけない時もあるんだけど、少しマイページに感じるときはあるよ。
そういう時は『急いで!』って注意することもあるかな。でもきっとフィリピン人の国民性なんだろうね?
あと性格的なとこを言うと、明るくて話も好きみたいだから、お客さんとしゃべったりもよくしてるかな。うちはカウンター席があるから、常連さんとか、カウンターに座って話したいお客さんも多い。
それで、僕からお客さんに『日本語教えてあげてよ』って促してみたりして、お客さんに日本語教えてもらったりとかもあるよ。可愛がってもらってるんじゃないかな。
ーなるほど。たしかにフィリピンは、セブ島などリゾート地の陽気なイメージがありますし、日本人のような性格とは少し違う部分もありそうですよね。
でも逆に、陽気で親しみやすい彼らの性格を活かして、お客さんと仲良くお話しながら日本語・日本の文化を覚えてもらうっていうのは、とても良い人材の伸ばし方だと感じます。
これからも楽しみながらお仕事してくださると良いですね!
取材を終えて…
本日のインタビューで感じたことは、大瀧様は『外国人雇用に対するネガティブな偏見』を持たずに、非常にフラットな目線で採用活動をされていることが素敵だなと思いました。
むしろ、大瀧様や周囲の方々が、『外国人は素直で一緒に働きやすい』と考えていたからこそ、採用後もスムーズにお店に馴染めたのだと思います。
ここ数年で、かなり飲食業界の採用は厳しくなってきました。だからこそ、大瀧様のように外国人採用にチャレンジする人は増えてきていると思います。
採用後も、お店のスタッフだけではなく、お客さんとも積極的にコミュニケーションをとってもらうことで、外国人スタッフのエンゲージメントにもつながり、スタッフの定着化が出来ているのではないでしょうか?
お店の仕込みをする、お忙しい時間帯にも関わらず、快くインタビューを受けてくださった大瀧様、本当にご協力いただきありがとうございました!
皆さんも、赤坂(溜池山王)の近くに行ったときは、ぜひ赤坂食堂genへ遊びに行ってみてくださいね。
取材協力/赤坂食堂gen 大瀧弦様
〒107-0052 東京都港区赤坂2-13-4 第15大協ビル1F/営業時間:月~土17時~0時、定休日:日曜