外国人留学生のアルバイトを初めて採用するときの注意点まとめ
人手不足が続く中、新しい労働力として注目されている外国人留学生。アルバイトの求人を出していると留学生からの応募が入ったという企業様もかなり増えてきているようです。
今まで外国人留学生を採用したことがない場合、そもそも自分のお店で雇っていいのか、何か特別な手続きなど発生するのか?と分からないことが多く大変ですよね。今回は、外国人留学生のアルバイトを採用するときの基本的な流れや、採用の際の注意点をまとめてお伝えします。
しっかり採用知識を身に着けて問題の起きないように気を付けましょう!
実は外国人留学生はこんなに増えている
昨今、都心部エリアを中心に外国人留学生のアルバイトの数は急増しています。日本で働く外国人労働者は、2019年末に146万人となり、うち留学生(資格外活動)は全体の23.5%を占めています。
つまり日本で働く外国人の4人に1人は留学生のアルバイトということとなり、非常に多くの留学生アルバイトが日本の経済を支えてくれているのです。
外国人留学生に人気のアルバイトは飲食業
留学生たちには、どのようなアルバイトが人気なのでしょうか?
独立行政法人日本学生支援機構(JASSO) の調査によると、留学生のうち48.7%、約2人に1人が飲食店でアルバイトをしているようです。留学生が初めてチャレンジするには、居酒屋やカフェ、レストラン、牛丼屋やラーメン店などが人気なようです。
飲食業の次に、留学生のアルバイトに人気の職業はコンビニのアルバイトです。全体の24.7%がコンビニで働いているとの結果でした。コンビニは24時間営業がほとんどのため、働く時間に融通が効く点が人気のポイントだそうです。
その他には、日本語力が初級の人でもトライしやすい工場や軽作業の仕分けスタッフ、清掃業も人気です。また、日本のおもてなし文化が学べて、卒業後の就職先としても人気のホテル業、日本語以外の語学を活かした英語教師や塾講師などのアルバイトが人気となっています。
外国人留学生の出身国一覧
ここまで留学生に人気のアルバイト先について見てきました。次は、彼らの出身国についてご紹介します。
訪日外国人のランキングを見ていくと、韓国・中国からの観光客が非常に多くなっていますが、日本で働いている外国人のランキングを見るとベトナムやフィリピンの方が非常に多くなってきています。
ランキング外ではありますが、直近の増加率を見るとインドネシアの方も急増しているようです。
1位:中国
2位:ベトナム
3位:フィリピン
4位:ブラジル
5位:ネパール
要チェック!留学生が働けるお店の条件をおさえよう
これだけ多くの外国人留学生が増えているのであれば、ぜひ自分のお店でも雇用したい!という方もいるでしょう。しかし、留学生がアルバイトをするためには、労働時間や業種などに制限があるのをご存知ですか?
誤った知識のまま雇用すると不法就労とみなされてしまい、罰則の対象になってしまう可能性があります。必ず次にご紹介する項目を覚えましょう。
留学生のアルバイトが禁止されている業種
まず、留学生のアルバイトが制限されている業職種についてですが、風俗関係の職種はすべて雇用を禁止しています。
ここでの風俗とは、パチンコ・ゲームセンター・麻雀店・キャバクラ・スナック・ガールズバーなどを指します。
28時間の制限『資格外活動許可』について理解しよう
次に、留学生は本来『学業』が目的のビザのため、アルバイトは原則禁止となっています。
しかし、学費を稼ぎたい・アルバイトを通して日本語を習得したいという留学生の意見を尊重するため、『資格外活動許可』の申請をすれば、外国人留学生もアルバイトができるようになるという仕組みです。
ここで注意したいのは、あくまでも学業が本業ですから、1週間のうち28時間しかアルバイトをしてはいけないよ、と時間の制約をされていることです。
これは、掛け持ちでアルバイトをした時には2つのアルバイト先の労働時間を足して計算していくので、間違えないようにしましょう。
資格外活動許可は、留学生本人が入国管理局に直接申請するものです。
資格外活動許可が下りていれば、彼らの在留カードの裏面に『許可(原則週28時間以内・風俗営業等の従事を除く)』と記載されるので、確認するようにしましょう。
資格外活動許可がないまま働かせてしまうと、企業側は不法就労助長罪として罰則を受ける可能性があるので、細心の注意が必要です。
留学生から応募がきたらやること
ここからは、具体的に留学生の応募~採用までの流れに沿って、注意点をお話していきます。
留学生からの応募~面接時の確認事項
ビザを確認
まずは在留カードの有効期限が切れていないか、留学生の場合は『資格外活動許可』を申請しているかを確認しましょう。
学歴、職務経歴のチェック
次に面接の段階では、自国で学校に通っていたのか。日本ではどのような学校で、何の勉強をしているのか。今回のアルバイトは初めてなのか、それとも他のアルバイト経験があるのかなど聞いていきましょう。
日本語力の確認
面接時に重要になるのが、日本語力のチェックです。もちろん日本語が流暢であるほど採用しやすい可能性は高いですが、外国人留学生たちは日本に来たばかりで、日本語力が初級レベルの方も少なくありません。
なるべくゆっくりはっきりと話して、相手が理解しやすい質問を心がけましょう。
※日本語レベルのチェック方法についてはこちらの記事で詳しくご紹介しています
日本語能力試験(JLPT)と外国人の日本語レベルのチェックの仕方募集要項、仕事内容をしっかり相互確認
面接の場では、必ず募集要項は読み合わせをするなどして、お互いに認識の違いがないようにしっかり確認するようにしましょう。
留学生たちは、求人広告などを見て応募していると思いますが、時給がいくらなのか、交通費はいくらまで支払われるのかなど、後でトラブルにならないようしっかり説明するようにしましょう。
留学生のアルバイトを採用したら行うこと
ビザの内容をもう一度確認
無事に面接を終えて内定を出したら、必ず在留カードを見せてもらい、ビザの期限がいつまでか、資格外活動許可の表記はされているかしっかり確認してコピーを取るようにしましょう。
※在留カードを見たことがない方は次の記事も参考にしてくださいね。
外国人雇用状況届出を提出する
外国人留学生をアルバイトとして採用する場合、『外国人雇用状況届出』を、最寄りのハローワークに提出する義務があります。留学生を採用するとき、彼らが離職したときのどちらも申請が必要となっているので注意しましょう。
届出と言っても簡単な用紙を記入するか、ネットから申請をするだけなので、忘れずに行うようにしてください。
※外国人雇用状況届出の方法については下記記事を参考にしてください
労働契約書を結ぶ
日本人と同様に、外国人留学生とも労働契約書を結びましょう。募集要項を詳細に記した、労働条件通知書など書面で交わすことが重要です。
既存アルバイトに理解を促そう
雇用主と留学生の間では、理解しあっていても、一緒に働く既存のアルバイトメンバーの協力なくしては採用はうまく行きません。
留学生の初出社までに、かならず既存のアルバイトメンバーに声掛けをして、『どこの国の人で、どのような文化の国か、会話する上で何を気を付けたらいいのか、留学生が困っていたらどんなサポートをしてほしいのか』など具体的に話しておくとスムーズです。
研修準備
余裕があれば、社内の研修資料・マニュアルやOJTの流れを見直しておきましょう。可能な限り、留学生の母国語で表記してあげることが理想ですが、すべての社内資料を翻訳することは骨が折れる作業です。
仕事をする上での、必要最低限の資料にはふりがなを振る、シフト初日には必ずゆっくり読み合わせを行うなど、受け入れ態勢を整えるようにしましょう。
まとめ
いかがでしたか?今回は外国人留学生のアルバイトを採用するときの基本的な流れや、必ず注意するべきポイントについてご紹介しました。基本的には、日本人と同様に採用活動を行いますが、ビザの確認や、外国人雇用状況届出など、留学生ならではの手続きを間違いなく行うように気を付けましょう。
もし留学生のアルバイトの採用について、サポートを受けたい・相談したい企業様は、株式会社エムティックまでお気軽にお問い合わせください。